こだわりが強い発達障害や自閉症の子への対応方法「間違いがパターン化する前に正しいやり方で教える」
発達障害や自閉症の子どもは、言葉や理屈で理解することが難しいために、
1つずつの自分の行動を、頭で理解して行動するのではなく、
パターンを覚えて行動し、それがこだわりになることも多いです。
「手を洗って、ご飯を食べて、お風呂に入る」、などの、
日常生活のこんなサイクルについて、発達障害や自閉症の子どもは、
いつもの順番を変えると、何をしていいかわからなくなることもあります。
発達障害や自閉症の子どもは、ご飯の前に手を洗うのはわかっていても、
他のタイミングで「手を洗うよ。」と言われても、
何を言われているか、言葉での理解が難しくて、分からないことがあるのです。
それは、発達障害や自閉症の多くの子どもが、
言葉が苦手で、言葉をあいまいにしか理解していないためです。
いつものパターンだと、言葉で理解できないことも、状況判断して、行動することができます。
発達障害や自閉症の子どもは、理解できない部分をパターンに頼って生活しているために、パターン化して行動することで乗り切ろうとすることがあり、それがこだわりになって現れます。
発達障害や自閉症の子どもの特徴については、こちらに詳しく書いていますので、参考にしてくださいね。
>> 自閉症って?
>> 自閉症の子どもの特徴と育てやすくする関わり方
このように、パターンに頼って生活をしている発達障害や自閉症の子どもにとっては、
パターンが変わると混乱してしまいます。
自分の気持ちをうまく言葉で伝えることが出来ない発達障害や自閉症の子どもは、
癇癪を起こしてしまったり、パニックになることもあります。
発達障害や自閉症の子どもは、おもちゃを、そのおもちゃらしい遊び方をしないで、
同じようなおもちゃをただひたすら並べて眺めるというこだわりがあります。
他の遊び方をしようと誘うと怒って癇癪を起こすことがあります。
発達障害や自閉症の子どもの並べることについては、こちらに詳しく書いていますので、参考にしてくださいね。
発達障害や自閉症の子の行動:並べるこだわりから遊びへ発展させる対応方法
たとえば、発達障害や自閉症の子どもは、自分の好きなところへ行けるかどうかを、
道順で判断していることがあります。
いつもの公園へ行くときに、違う道から行こうとすると、
自分の行きたいところへ行けないのではないかと不安になり、
パニックや癇癪を起こすことがあります。
それで、発達障害や自閉症の子どもは、道順にこだわるのです。
発達障害や自閉症の子どものこだわりについては、こちらに詳しく書いていますので、参考にしてくださいね。
発達障害や自閉症の子どものこだわりって?対応は?
発達障害や自閉症の子どもは、しつけをするときも、パターン化やこだわりによって、
教えづらいことがよくあります。
特に、最初に間違ったやり方を覚えると、正しいやり方になおすまでにすごく時間がかかったり、
発達障害や自閉症の子どもの抵抗にあって、苦労することがあります。
・おままごとの包丁の上下
・はさみを両手で持って切る
発達障害や自閉症の子どもは、道具の使い方を、最初に覚えた方法でこだわりになり、そこからなおそうとすると、
嫌がって抵抗することが多いです。
おままごとの包丁や、はさみの持ち方は、
最初から正しい持ち方で、手を添えて教えると良いですよ。
発達障害や自閉症の子どもの持ち方がなおしにくいのは、手先があまり器用でないためです。
発達障害や自閉症の子どもは、手先に限らず、身体を思うように動かすこと(感覚統合)が苦手なんです。
子どもの発達は、身体の中心から末端に発達するので、
手先の前に、身体全体をつかってよく遊ぶと良いです。
手先も、いろんな遊びや生活の経験の中で、練習していくと、だんだんと器用になっていきます。
感覚統合については、こちらに詳しく書いていますので、参考にしてくださいね。
感覚統合とは?発達順の問題点と家庭での改善方法
・ご飯を食べる場所や席順
・おしっこやうんちをする場所
発達障害や自閉症の子どもは、食事の場所や自分の席、うんちやおしっこをするところを、
いつもする場所でこだわりをもつことがよくあります。
特に、トイレが問題になりやすいですが、
ソファーの後ろなどと決めてしまい、トイレに誘ってもかたくなに拒否することがあります。
発達障害や自閉症の子どもも、早めにトイレの場所を認識させるため、連れて行くようにすると良いですよ。
トイレトレーニングについては、こちらに詳しく書いていますので、参考にしてくださいね。
>>発達障害や自閉症の子どものトイレのお悩み「姿勢や家のトイレ」等のこだわりなどトイレトレーニングによくある悩みと対処法
>> 言葉が遅い3歳の子のトイレトレーニングの事例「オムツにおしっこするこだわりでトイレに座っても出ません」
発達障害や自閉症の子どもが癇癪を起こしたときに、
大人が子どもの機嫌をとろうと、子どもの要求をかなえてしまうと、
癇癪をおこせば要求が叶うと言うことを覚えて、
嫌なことがあったら癇癪を起こすというこだわりになることがあります。
たとえば、スーパーで買ってほしいものをねだって大泣きして、親も折れて買ってしまうと、
欲しい物があれば大泣きすれば買ってもらえると、覚えてしまいます。
言葉で言えないから可愛そうだと、発達障害や自閉症の子どもの機嫌ばかりを伺うことは、
発達障害や自閉症の子どもが自分で言葉やジェスチャーで伝えようとする気持ちを奪ってしまいます。
発達障害や自閉症の子どもの癇癪・パニックについては、こちらに詳しく書いていますので、参考にして、
子どもが、社会に認められる形で伝えられるように、根気よく教えていくことが大切です。
問題行動(癇癪(かんしゃく)・パニック・自傷行為)を無くし、正しい言葉や行動を教えるために ★★☆ Youtube動画解説付 ☆★★
発達障害や自閉症の子どもは、こだわりが強く、パターン化して行動しやすいです。
ダメだと教えても、繰り返しやってしまい、癖になってしまうことがあるようです。
そんなときは、やりかけた時(やる前)に止めて、正しいやり方をさせると良いですね。
正しいことを習慣にすることで、間違ったやり方は自然と消滅していきます。
何度も間違えると、お子さんも自信とやる気を失います。
出来ると自信もやる気も起きます。
出来ない方法ではなく、出来る経験を、大人と一緒に作っていってあげてくださいね。
こだわりが強い発達障害や自閉症の子どもも、パターン化したからといって、なおせないわけではありません。
なおそうとするとパニックを起こすこともありますが、
お子さんの様子を見ながら、少しずつ直していくことで、だんだんなおっていきます。
変な癖がついちゃったな、と思っても、大丈夫。気長に直していきましょう。
発達障害や自閉症の子どものスプーンの持ち方をなおすときは、次のような手順で直していきます。
最初の持ち方:上からの握り持ち
親指が内側を向き、手の甲が上を向いている握り持ち
下から握り持ちに直します。
親指が外側を向き、手の平が上を向いている握り持ち
それから3点持ち(グリップ持ち)に直します。
発達障害や自閉症の子どものこだわりについて、こうやって、小さな段階を踏んで、少しずつ直していく方法もありますよ。
他にも、発達障害や自閉症の子どもをご家庭でうまく育てていくコツについて、以下に書いていますので、
参考にしてくださいね。
★★☆ 家庭療育方法一覧はこちら ☆★★
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