PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションによる視覚支援とは?効果とデメリット

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションによる視覚支援とは?効果とデメリット

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションとは?

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションとは、Picture Exchange Communication System の略語で、アメリカで自閉症の治療プログラムとして開発された療育方法です。
日本では、病院や市町村による療育ではなく、NPO団体のよって行われることが多いです。

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションでは、発声が出来なくても、絵カードで言葉の代わりにコミュニケーションが取れること、カードを自発的に渡しに行くことから、自発的なコミュニケーションが出来ることが特徴です。

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションのやり方・療育方法

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションでは、自分の要求を、要求したい相手に、絵カードを渡すことで伝えます。
以下のように、教えていきます。

はじめは、欲しい物を1つ決めて、たとえば、みかんと決めたとすると、みかんのカードを渡して、みかんと交換します。
その絵カードを自分で探しに行き、相手に絵カードを渡して交換してもらうことを続け、自分からコミュニケーションをすること、続ける事を身に付けます。

慣れてきたら、絵カードの種類を増やして、絵を区別して、欲しい物と一致した絵カードを選ぶように教えます。

物の絵カードで要求できるようになったら、要求を表す動詞「ちょうだい」などの絵カードの2枚を使って、二語文(要求語+目的語)を教えます。
「何がほしいの?」という質問に、絵カードでこたえることも教えます。
質問に答えられる事の種類を増やしていきます。
語彙を広げ、要求するものの色や形や大きさなどの形容詞をつけて二語文(形容詞+目的語)で要求することを教えます。

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションの療育効果・メリット・視覚支援

絵カードを渡すだけなので、発声が出来ない子にも教える事が出来ます。
上記のように、二語文三語文のような文構造を教えていくため、正しい言葉の理解ができます。

言葉の代わりに絵カードを用いることで、耳からの情報に弱く、目からの情報に強い自閉症児に視覚的に情報を伝えられるため、視覚支援の効果があります。

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションのデメリット

PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションでは、絵カードに頼りすぎ、言葉や発声が減ってしまった、という声を耳にします。
はっきりとした研究結果では示されていないようですが、低年齢で絵カードに頼ってしまう事で、発声を減らすことは十分に考えられるため、私は幼児期にPECSという手法のみを取り入れることはお勧めしません。
他の発語を促す事と一緒に取り入れていくのであれば、1つの良い手法かと思います。

療育方法には、それぞれのメリット、デメリットがあります。PECS(ぺクス)絵カードコミュニケーションも同様です。
1つの療育方法に固執し過ぎると、デメリットも大きくなる恐れがあるため、色んなアプローチをして関わっていくと良いですね。
子育ては、1つの方法ではうまくいかないものです。
沢山の手法を知っておくことが大切ですね。家庭療育方法についてはこちらをご覧ください。

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