基本的信頼感とは!?子どもの発達との関係は!?
2017年3月24日2:40 PM カテゴリー:発達障害や言葉が遅い子の家庭療育の効果・発達状況・お客様の声
基本的信頼感とは!?子どもの発達との関係は!?
基本的信頼感とは、一言で言うと、「ママは僕の味方」と、子どもが守られる・愛される安心感を大人に抱くことをいいます。
基本的信頼感を獲得してご成長された言葉が遅い4歳のお子さんのパーソナル療育プログラムのご相談支援事例をご紹介します。
発達テストとドクターの診断がありました。
発達テストは積み木やパズルは出来ましたが、言葉にかかわることはできませんでした。
例えば「犬どれ?」の質問に指をさして答えるなど・・・
また、なかなか落ち着いて椅子に座ることができず、指導員の指示も聞いていない様子でした。
しかし、ドクターの診断では、以前よりコミュニケーションをとろうとする態度が見られ、
単に単語を言わされているのではなく、「どうしてほしい」や「次に、これをする」
などの意志を言葉ではまだ伝えられないが、伝えようとしているとのことでした。
また、高い台にのぼりかけたので母が「危ないからダメだよ」と手をクロスして見せたら
すんなり止めたことにも驚いていらっしゃいました。
うちの子と同じパターンのお子さんは制止されると「ギャー」といったり暴れたりするのが
ほとんどで、一度の指示でやめられないそうです。
帰りは散らかしたおもちゃを片づけてねと片づける動作を母が見せると、残りはすべて
自分で片づけられ、先生と指導員の眼を見て「バイバイ」と手を振っていました。
これらにも感動されました。
澄川先生の質問形式で言葉をかけてきた成果だと思いました。
このような手ごたえは、よそのABAでは実感できなかったので、うれしく思いました。
また、母親としては気づかないいいところも知りました。
毎日、接しているとイライラしてばかりなので反省しました。
また、ご指導をよろしくお願いします。
こちらのお子さんが、基本的信頼感を抱き、大人の指示に従うことが出来るようになったのは、
子どもが興味を持てる楽しい事で関わったことが大きな1つのきっかけです。
最初にこちらの教室にいらっしゃったときに、私が絵本の読み聞かせをしようとすると耳を塞いでいました。
よそのABAで、音声模倣の強要により、耳を塞ぐようになってしまったとのこと。
それが、読み始めると、絵本が面白くて、自分から塞いだ手をはずして、私の読む言葉のまねをし始めたんです。
子どもが興味を持てる絵本で、楽しく顔真似遊びをしたからなんですね。
耳を塞がなくなった、自分から音声模倣した、これは、子どもの心の変化の表れです。
自分が嫌な事を強要されるのではなく、楽しいこと、それを大人と共有する。
すると、大人は自分の味方だと気づいて行きます。
大人は自分の敵ではない、自分の要求を叶え、守ってくれる人。」
これを理解して大人を信頼する事を、「基本的信頼感」と言います。
基本的信頼感を獲得して、ママや先生に愛着をもつ。ママや先生が大好きになる。
大好きなママや先生が誘うから、気乗りしないことも頑張ろうと思える。
だから、基本的信頼感が出来ないと、子どもは発達しません。
大人が自分の敵だと思えば、大人の指示は聞きません。
子ども自身が、「自分を認められている、大切にされている」、
「大人は自分を守ってくれる人だ」、という「基本的信頼感」
をもったから、大人のやってほしい事も、聞けるようになっていきます。
今、園の加配の先生にも基本的信頼感が生まれ、園でも急成長中です。
大好きなママや先生は、子どもにとって安全基地となり、
安全基地があるから、子どもは人や物に積極的に働きかけるようになります。
幼少期から施設で育った子供などが、
ママという特別な人がいなくて、愛着関係がうまく形成出来ず、
基本的信頼感が欠如すると、
ホスピタリズムという病気にかかります。
ホスピタリズムとは、家庭から切り離されて病院や施設などの環境におかれた子どもに,
身体発育および言語・知能の発達の遅れ,習癖,情緒的な障害,浅薄な対人関係などが生じることをいいます。
原因として,施設収容による母性的な対象との情緒的きずなや母性的な働きかけの欠如が指摘されています。
だから、「基本的信頼感」は、子どもの発達にとても大切なんです。
無理強いで教え込むのではなく、子どもの好きな事を見つけてあげる、その中で言葉や正しい行動を教えていきたいですね。
そして、言葉が遅いから、と、あれしなさい、これしなさい、の命令形だけで声をかけると、質問形式の言葉を聞かずに過ごしてしまいます。
言葉が遅くても「・・・する?」などの質問をする。
質問のこたえは、子どもの態度で感じ取り、子どもの気持ちを代弁する。
それにより、子どもは気持ちを伝える言葉を覚えていきます。
意見を聞き入れる、ということは、子どもの意思を尊重すると言う事。
子どもの意思を尊重していくことが、基本的信頼感や子どもの発達、言葉の発達とも繋がっていきます。
そんな支援が必要です。
今、できる事の積み重ねが、将来必ず、華を開きますよ。
ポポちゃんとおねんね♪