3歳の我が子、他の子より落ち着きがない?| 悩むママ・パパへのアドバイス
3歳の子どもに、“落ち着きがない”ことで困っている・心配しているママやパパはとても多いようです。
今回は、子どもに落ち着きがないことをどう捉えたらよいか分からないママや、どう接したらいいのか分からないパパに向けたアドバイスをしたいと思います。
同年齢の他の子どもと比べて、自分の子どもの落ち着きのなさが、際立って感じられる時。
その子どもの落ち着きのなさが、元気・おてんばな個性によるものなのか、自閉症や発達障害によるものなのか?
これらを正確に判断してもらうには、医師の診断が必要になります。
ただ3歳児の場合、そもそも落ち着きはないもの。
とめどなくお喋りしたり、座らないといけない場面でうろうろしたり、オモチャを次々出して遊びがシフトしたり……。
ただ、自分の子どものことなので、必要以上に気になってしまうのかもしれませんね。
「ダメだよ」と言われて、すぐにではなくても従うことができるなら、十分じゃないかな?と思います。
相手は遊び盛りの子どもですから、「ダメだよ」「帰ろうね」「座ろうね」「しーっ!」と1回声がけをするだけで、言うことを聞かないのは仕方ないでしょう。
何回か根気よく声をかけて、しぶしぶでも「はぁい」とけじめをつけられたら、良いと思います。
ただ“毎回毎回”、“家でも・外でも・どんな場面でも”、あるいは“どうしても”、遊びにけじめをつけられない様子や、じっとしていられない様子が見られる場合は、多動性障害など、自閉症や発達障害の可能性があるかもしれませんので、病院や市町村に相談されると良いですね。
「どうして、落ち着くことができないのかな……?」と、その理由について悩まれることも多いはず。
以下は、3歳くらいの子どもが落ち着きのない言動を取り続けてしまう、その理由として考えられることの例です。
じっとすることができず、ママやパパ・保育園の先生の行くところを、ずっとついてくるタイプの子ども。
こういった子どもの場合、できることが少ない・遊びのバリエーションが少ないために、遊んでもらいたくて周りの大人のあとを、ずっと追ってまわっている可能性があります。
遊び方を知らない子どもの視点で、考えてみましょう。
「じっとしててね」「ちょっと大人しくしててね」と言われても、遊び方を知らない子どもは、「じっと、何をしてればいいの?」としか思えません。
一体どうじっとしていればいいのか分からない子どもは、当然ながら退屈で仕方なくなります。
その結果じっとできず、退屈さを何とかできる先を探し求めて、うろうろと落ち着きのなさを見せることがあるのですね。
1日中どこかせわしない生活を送っている子どもも、いざ落ち着いてほしい時に落ち着くことができないことがあります。
例えば、“お昼は公園でいっぱい遊び、夜はゆっくり過ごす”というような、静と動のリズムが、ある程度決まった習慣になっていないと、落ち着くタイミングや落ち着く過ごし方を覚えるのが難しいでしょう。
ママ・パパが共働きで忙しいケースでは、子どもとのルーティーンを作りにくいです。
「子どもと一緒にいる時間のうちは……」と全部相手をしたり、逆に忙しくて向き合う時間を作れなかったりする“コミュニケーションのムラ”が、落ち着きのなさに影響しているのかもしれません。
3歳という年齢には限らず、まずはやはり子どもとじっくり向き合う時間を作ることが大切です。
子どもが「ママ・パパにしっかりお話できる」、あるいは「しっかり遊んでもらえる」と安心できれば、落ち着くべき時にちゃんと落ち着きやすくなるでしょう。
後は、ママ・パパが遊び上手になることもポイント。
「今日は外に出られないよ」という日に、外に飛び出して遊びにいきたい子どもに対し、ただ「今日はじっとしてようね」と言い聞かせるだけでは、子どもにとっては辛いのです。
屋内にアスレチックがある場所を知っていれば、公園では遊べない日でも、子どもは思い切り遊べます。
また、自宅でも子どもと一緒にできる遊びや体操を知っていれば、外へ連れていけなくても遊べます。
園でじっと活動に参加できない子どもの中には、子どもらしい遊びをお家でしていなかった子どももいます。
お絵かき・粘土・塗り絵・折り紙など、子どもらしい制作遊びをお家でも経験しておくと良いですね。
同様に、絵本の読み聞かせをじっと聞けない子どもの中には「家でも絵本を読んでもらっていない」という子どもが多いです。
家での生活が社会生活の基礎となるので、幼児期に必要な遊びや絵本の読み聞かせをする時間をとってあげてほしいと思います。
親がたくさん遊び方を提案すると、子どもも遊びのバリエーションを拡げることができ、やがて“じっとしていることがツラくない、時間の過ごし方”を考えられるようになります。
「いざ遊びだすと止まらない」「ひとたび公園に行ったら帰らない」というタイプの子どもとは、遊び始める前に約束をしてみましょう。
「○○時まで遊ぼうね」などと、けじめの時間を先に教えてあげることで、遊びを切り上げる心の準備をさせてあげてください。
これは、イヤイヤ期の子どもに対する声掛けの方法の1つでもあります。
⇒ イヤイヤ期の2歳児への接し方 | 子どもの目線で「なぜ嫌なのか」を考えてみる
3歳くらいで落ち着きがない子どもの親に多い深刻な悩みは、外食に連れていけないことです。
たまにレストランへ行ったら、もううろうろして大変。
「ゆっくりご飯を食べられないし、周りのお客さんからの視線も痛い……」というのは、よくあることですね。
遊び優先で落ち着きがないタイプの子どもにとっては、外食先でじっとしていることも、大きなストレス。
「じっとしておくだけじゃん」と大人が思っているほど、簡単なことではないのです。
そこでまずは、家以外でご飯を食べることに慣れさせる練習が必要だと思います。
例えば、最初は立ち歩くことが珍しくないフードコートで外食に慣れさせて、そこに慣れたら比較的子ども連れに寛容なファミリーレストランで外食に慣れさせて……というように少しずつ。
そして、いきなり最初から最後までじっとすることを強要はせず、5分ずつでもいいからじっとしていられる時間を延ばしていくと、親子ともに負担無く、着席の習慣をつけていくことができますよ。
3歳児の他に上記のタイミングで、子どもの落ち着きのなさに気付くケースが多いです。
子どもの置かれる環境が、がらりと変わるからかもしれませんね。
一般的に、小学校高学年頃までには、落ち着きのない子も落ち着くと言われています。
自閉症の子どもの中には、「定型発達の子どもと全く同じように」とまではいかない子どももいますが、それでもその子どもなりに落ち着いてきます。
それでも、「小学校高学年までかぁ、まだまだ長いな……。それまではうちの子はずっとこんな状態なの?」と悩むことはあるでしょう。
難しい問題ではありますが、「落ち着きがなく、他の子どもと同じようにできないからダメ」と思わずに、「できないけど、できることもある」という考え方はどうでしょうか?
実は、落ち着くのが苦手な子どもの中には、運動が得意な子どもが多かったりします。
子どもが成長していくにあたって、「落ち着けないこと」「皆と一緒ではないこと」ばかりを気にするより、運動でもなんでも「できること」「好きなこと」を応援してあげる……。
そうすれば、子どもにも自信がつき、親子としてもよりいい関係が築けるかもしれませんね。
以上、「どうしてうちの子だけ落ち着きがないのだろう?」「落ち着きがない子どもとどう向き合うのが正しいのだろう?」と悩むママ・パパに向けたアドバイスでした。
落ち着きがない子どもを、“今すぐ”じっとさせるための言葉はありません。
まずはこうしたコミュニケーションから、根気よく付き合っていきたいですね。
【落ち着いて出来ることを、少しずつでも増やしていきたい方へ】
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