スモールステップってどんなレベル?言葉が遅い・自閉症・発達障害の子への教え方

スモールステップってどんなレベル?言葉が遅い・自閉症・発達障害の子への教え方

「スモールステップ」という言葉を知っていますか?

知っている方は、それがどんな程度のステップならいいのか、分かりますか?

 

スモールステップとは

スモールステップとは、発達がゆっくりな子どもに教えるときに、
1つの出来ない事を、いくつかの小さなステップに分けて、
少しずつ出来るようにしていくことです。

 

家庭療育プログラムで、
ママ達に子どもへの教え方をお伝えしていると、
よくこんなことを言われます。

「スモールステップとは聞いていましたが、
 こんなに小さな、こんなスモールのスモールのスモール・・・
 こんな小さなステップにしなければ出来ないとは、
 思っていませんでした。」

 

教えても出来ないという事は、
その教え方では理解できないし、やれない、ということ。

だから、もっと小さなことから
コツコツ積み重ねが必要なんですが、
意外と、大人は、
子どもに必要なその「小さなステップ」が分からないもの。

 

だから、「こんな簡単なことなのになんで出来ないの!?」
って思っちゃうんです。

 

大人にとって簡単なことでも、実は子どもにとっては
とても難しい事なんです。

そのスモールステップのレベル感が分かると、

出来ない子どもにイライラすることも無くなりますよ。

 

今日は、そのスモールステップがどんなレベルなのかをお伝えしたいと思います。

 

・靴を履くこと、・着替えをすること、

・トイレで排泄すること、

・言葉を話して会話すること、

・ひらがなを覚える事、

どんなことでも、教えることにスモールステップは必須です。

 

分かりやすく、

縄跳びをまずは例に挙げて説明したいと思います。

その後で、言葉についてもお伝えしますね。

 

子どもとコミュニケーションの悩み

 

スモールステップはどの程度の小さなステップが必要なの?縄跳びを例にして・・・

発達がゆっくりな幼児に縄跳びを教えるのはとても大変なことです。

言葉が1年遅れている程度のお子さんであっても、
回してから飛ぶ、また回して飛ぶ、の1回飛びは出来ても、
連続で回してスムーズに飛ぶことがとても難しいです。

 

発達がゆっくりな子どもの場合、
小学生でも、縄跳びはかなり苦戦します。

特別支援学級のベテランの先生は、
こんな風に、スモールステップで
ゆっくり繰り返し教えていくそうです。

 

【ステップ1】
 右手だけ、回す練習

【ステップ2】
 左手だけ、回す練習

【ステップ3】
 右と左に別の縄を持ち同時に回す

【ステップ4】
 ステップ3と同時にジャンプする練習

【ステップ5】
 1回飛び

【ステップ6】
 連続飛び

それぞれのステップを出来るようになるのに、
子どもによっては、数か月かかる子もいます。

 

ママ達と会話していると、
ほとんどのママが、いきなりステップ5をやる、
そして、ステップ6もやろうとします。

それは、実は、出来なくて当たり前なんです。

 

ステップ1から、
それぞれのステップを数か月かけてゆっくりやっていく、
そのくらいの速度でないと、習得できないんです。

 

縄跳びの持ち方、思い出してみてください。
グーで握ったら、手首をひねって、
親指が身体の外側に向くように回しますよね。

日常生活の中で、そういう動作ってあるでしょうか?

グーして、親指を外側に向けて、ぐるぐる手を回すなんて動作は、
日常生活にないんです。

 

だから、たかがステップ1であっても、
その、今までやったことが無い動きを習得するまでに時間がかかる、
練習が必要なのは、実は当たり前のことなんです。

 

 

「こんな簡単な事」と思うから、ママもイライラしちゃうし、

怒りたくなっちゃいますが、

「こんな大変なことを頑張っているんだ」と思えるようになると、

頑張っている子どもが愛しく思えるようになりますよ。

 

 

会話で困らない言葉の力をつけるためのスモールステップってどんなもの?

言葉も同じです。

うまく説明できないからといって、
いくら、見本のよい文章を教え込んでも
ただ丸暗記するだけ。

覚えた文章を言えても、
自分で文章を作れなければ、
喋ることは出来ません。

 

アニメの台詞など、
丸暗記の台詞を、場に合わないのに、
無理に当てはめようとしてしまう。

それは、実は、自分で文章を作れないからなんです。

 

言葉の発達段階ごとに、やるべきことは違います。

言葉がまだ出てない段階から、
普通に会話出来るまでを、順に、たどっていきますね。

 

ステップ1 音を出せる

ステップ2 音の真似をできる

ステップ3 単語の一部でもまねできる

ステップ4 人にことばで伝える

ステップ5 カンタンな質問に答える(誰、何、どこ)

ステップ6 言える単語を増やす

ステップ7 動詞を教える

ステップ8 形容詞を教える

ステップ9 二語文

ステップ10 三語文

ステップ11 一言(一文)で話せるようにする

ステップ12 日常会話のルーティーンを話せるようにする

ステップ13 日常会話のルーティーンでない事も話せるようにする

ステップ14 二言三言(二文・三文)で話せるようにする

ステップ15 何往復かの会話のやりとりができる

ステップ16 今経験していることを具体的に・詳しく言葉にできる

ステップ17 自分の経験を相手に分かるように話せる

ステップ18 今日の出来事を詳しく報告できる

ステップ19 抽象的な質問に答える(どんな、どのように、なぜ、いつ)

ステップ20 物事の順番を整理して考えられる

ステップ21 順序だてて話せるようにする
  ケンカの理由や経緯を、見てない人に分かるように説明できる

ステップ22 アニメの内容等を起承転結のあることを時系列に説明できる 
  絵本やアニメのストーリーの要約や、オチを理解して説明できる

ステップ23 相手に自分から質問ができる

ステップ24 お友達と雑談できる

 

おおよそ、こんな流れです。
1つのステップを身に着けるまでに最低1ケ月、
長い場合は数か月、数年かかります。

3歳くらいの子ども

 

ママ達と話して、よく感じるのが、
ステップ9や10の、「二語文」や「三語文」が出ているからと言って、
ステップ17の「振り返りの会話」で子どもから聞き出そうとしているのを

よくおみかけします。

 

現在の事が詳しく話せないのに、
無理に過去のことを聞き出そうとすると、
子どもは分からないから逃げる、嫌がる、
言ってはくれても、いつも丸暗記の言葉だったりします。

 

丸暗記の言葉を言う習慣をつけると、
出来事を忠実に言葉にしようとしないで、
アニメのセリフなど、
頭に浮かぶものを持ってこようとするようになります。

だから、場違いな会話になってしまうんです。

 

仮に、今日の振り返りの会話で、
印象に残ったことは言ってくれても、
それがどんなことなのかを具体的に聞き出そうとすると
答えられない。
そうなると、そこで会話が終わってしまいます。

 

ステップを飛ばしたものは、出来ないままだし、
次のステップへ行っても、
結局は前のステップがネックになって、
不自然な会話になったり、会話が続かないんです。

だから、飛ばさずに1つずつ丁寧にやっていくことが大切です。
飛ばしたものがあれば、戻って、練習していくことが大切です。

 

言語療法の話を聞いていると、
就学前に、
・抽象的な質問に答える(どんな、なんで)
・物事の順番を整理する
・絵本の起承転結を一言ずつ言う

あたりで一年終わってしまうことも見受けられます。

結局、絵本の起承転結を言えても、
丸暗記の事も多く

肝心な、自分の出来事や思いを相手に分かるように話すことは

できないまま・・・なんてことも・・・。

計画的に教えてる言語療法の先生でも、
「一年で言葉は対して伸びない」、
まだ4月なのに、
「来年の普通学級は無理」という理由は、

日本の言語療法のよくある、週1回1時間程度では、
上記の内容が全部終わらないからなんです。

言葉を習得するには時間も手間もかかるという事なんです。

 

 

人間が何気なく普段喋っている言葉を子どもが習得するには、
とても時間がかかります。

 

言葉の遅れを大きく取り戻していくためには、親の声掛けが必須です。

言語療法で「1年では無理」と言われた子が、

遅れを取り戻して普通学級に入っていった、そんな子のママ達には、

計画的で内容の濃い日常会話を毎日してもらっていましたよ。

 

子どもの成長には、どんなことが必要なのか、
無理のないスモールステップで成功体験を繰り返して覚えていけば、

子どもは喜んで習得し、どんどん成長していきますよ。

上記を参考にして、普段の生活を見直してみてくださいね。

 

 

・何をしてあげていいかわからない、
・子どもの成長があまり感じられない、
・就学までに何とかしたい、
そういう方のために、
個別に、お子さんのためのプログラムをお作りしてサポートしています。

 

 

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小学生向けプログラムもあります

上記の日常会話を出来るようにしながら、
小学校の授業を理解できることを目指して教えていきます。
将来の就労や自立も視野に入れたプログラムです。

小学生向けプログラムはこちら

教え方を身に着けて、子どもをどんどん成長させていきましょう。

育児に自信が持てるようになり、わが子をもっと愛せるようになりますよ。