言葉が遅い子との会話が不自然なのはなんで?自然な会話との違いは?会話が成り立つとは?
ことばカンタン家庭療育の澄川綾乃です。
今日は、ことばのトレーニング方法をお伝えしている私が、
日々感じていることをお伝えしたいと思います。
言葉が遅い子と会話していて、
あきらかに、
会話が成り立っていないな。と思うことはありませんか。
・話している途中に
子どもがアニメのセリフなど
自分の好きな話をかぶせてくる。
・話しているときに、
どこか遠くを見て話を聞いていない。
・話してもきょとんとして、理解していなさそう。
言葉の遅れがあると、こういうことが良くあります。
それで、お友達に、理解してもらえない、
ということがよくあります。
友達からしたら、せっかく話しかけたのに、
アニメのセリフを話し出したら、
突然、この子はどうなっちゃったんだろう?って
心配されてしまいます。
どうしたらいいか分からず、次から
話しかけにくくなってしまいます。
でも、お子さんにご兄弟がいらっしゃる方は分かると思うのですが、
まだ言葉をよく知らない小さな子でも、
定型発達の子どもとの会話って、自然な会話と感じたりするんですよね。
なんででしょうか。どこが違うのでしょうか。
たとえば、小さな、1歳や2歳の子で、
まだ話の内容が細かく分からないはずでも、
この子とは会話が通じている、って思えます。
不自然な会話と自然な会話の違いを、
会話のやり取りの例や、
子どもが話してくる話し方を例に挙げて
ご説明します。
何が違うのでしょうか。
では、何が自然な会話なのかと言うと。
相手の話をちゃんと聞き
相手の聞いている内容について
会話の受け答えに細かい間違いがあっても、
勘違いのことを言っても、
話に答えようとする姿勢がある会話、
こっちが言った言葉と関係のあることを返してくれる会話です。
定型発達の娘が3歳の頃?だったかな
運動会のお歌を歌っていて
「弱虫なんかいるもんか」を
青虫だと間違えたとしても・・・
歌の中の言葉をひろってのこと。
相手と意思疎通する気持ちが分かります。
そして、
「青虫?青虫は虫さんだよ。
運動会とむしさんは関係ないよね。」
「運動会は、強い子、弱い子、勝つ、負けるだよ。
弱い子のことを弱虫っていうんだよ。」
などと説明すれば
「あ、そっか」と間違いに気づくんですね。
成長してきた自閉症の息子とのこんな会話も、
息子がちゃんと話を聞いて、
私と話を合わせようとしている様子が
分かると思います。
子 「公園行く!」
私 「洗濯物を干してからね」
洗濯物を干す
子 「出来た!」
私 「出来たって、、、
お手伝いしてくれなかったよね?
誰が干したの?」
子 ニヤニヤしながら
「●●くん!(自分) 」
私
「えー!?」私もニヤニヤ
「昨日は●●くんだけど
今日はお手伝いしてないよね!?
今日は誰が干したの?」
子 「ママ」
分かった上で
ふざけて嘘をついたり
冗談を言ったりするけれど、
相手が真顔で聞きなおせば
正しく答え直す事ができる。
私 今日、授業で鍵盤ハーモニカを弾いたの?
息子 うん。
私 何を弾いたの?何のお歌?
息子 ドレミファミレド
私 カエルの歌だね!
息子 うん
私 ミファソラソファミ
息子 ド、ド、ド、ド、ドレミファミレド!
私 今日、図工やったの?
息子 図工やった。
私 何作ったの?
息子 お城
私 どうやって作ったの?
息子 はさみ
私 カッターじゃない?こうやってシューって切ったの?
息子 シューって切った(と身振り)
息子はカッターナイフをあまり使ったことが無いので、
似たものの名前で答えてしまったんですね。
でも、作ったものや、そのときの様子が共有できているから、
会話が不自然に感じないんですね。
このように、
相手の聞いていることとは
少し違う答えをしてしまったとしても、
全く違う時の話をしたりしたりしないで、
相手の言っていることを聞こうとする。
相手の話に合わせようとする。
会話を勝手に違う話に変えてしまったり
話を聞いてくれなかったり
別の世界に行ってしまったりしない。
ちゃんと目を合わせ、聞こうとする姿勢がある。
言葉が足りなかったり、
ぱっと言葉が出なかったりするけれど、
相手が正しい答えを言ったら、
それをイメージできる。
会話では、まずはそれが大事なんです。
綺麗に喋ることの前に、
会話をしようとする姿勢のようなものですね。
会話がうまく出来ないお子さんの中には、
よくこういうお子さんの話をお聞きします。
小学校の授業で、国語の読解プリントやテストは解けても、
会話はうまく成り立たない、と言う子です。
読み書き計算が出来ても、会話が出来ない子もいます。
会話は会話。
他の事が出来ても、
会話の練習をしていかないと出来るようにならないんですね。
でも、プリント学習で出来ている分、
日常会話の練習を始めると、習得は早いです。
うちの息子も昔は、会話が通じない子どもでした。
・興味が無いことは聞かない。
・いつも一方的に自分の要求だけ言う。
・話しかけても意味が分からず、すぐ逃げて居なくなる。
そんな息子に分かるように話してあげる、
言葉を少しずつ理解させていくことを何年も続けていき、
こうやって会話が出来るようになりました。
話すときも、特徴があります。
昔の息子は、丸暗記した言葉をあてはめるか、
話さないかのどちらかでした。
でも、今では、
ちゃんと自分で文を作ろうとするようになりました。
こんな風に。
「ママ、ボールやる。」と誘って
「ママ、ここ。」と私の立ち位置を指示し
「ボール。持って。」とボールを渡す。
私が投げようとすると
「だめ!」
「ママ、ボール転がす」と、違う行動を要求する。
なんか、喋り始めの子どものようですよね。
スムーズではなくても
幼い言葉が多くても、
一生懸命自分の知っている言葉を並べて、
相手に伝えようとする。
相手の反応を見て、
自分が喋るべき言葉を考える。
そうやって、状況を理解して
自分で言葉を組み立てていこうとすることが
言葉の力です。
これが出来るようになると、
お友達との会話もだんだん出来るようになっていきます。
ちなみに、うちの息子に本格的に
日常会話のトレーニング方法を私が教えだしたのは小学校1年生から。
うちの息子は何年も喋れない状態が続いていたので、
習得に時間がかかりました。
でも、その方法と同じ方法を、
幼児期のお子さんにやってもらうと、
息子より習得がとても速いんですね。
小さい子の方が、習得は早いんです。
そして、うちの息子のように、
分かる言葉で返してくるだけではなく、
軽度な遅れだった子は
文章できちんと返したり、
一言ではなく、二文三文で答えられるようになり、
言葉の遅れはほぼなくなっていく子も多いです。
会話がうまくかみ合わない。
自然な会話が出来るようになってほしい。
と言う方は、ぜひ、日常会話のトレーニング方法で
多くの実績がある私にご相談くださいね。
発達段階に合わせて3つに分かれています。
まだ身の回りの事が出来ていないお子さんに
言葉のトレーニング方法と合わせて
身の回りの事などもお伝えするのはこちら
子どもらしい遊びや生活ことばの力をつける
家庭療育プログラム:ベーシックプログラム
言葉だけ成長するという事は無いので
まんべんなく家庭療育が必要です。
ある程度喋れる・軽度な言葉の遅れや就学準備に!
家庭療育プログラム:ことばプログラム
日常会話のトレーニング方法を学んで、
子どもとの会話を楽しんでほしいと思います。
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