加配とは?・どうして必要なの?発達障害や自閉症、言葉が遅い子に加配をつける理由
加配とはどんな制度?言葉が遅い、発達障害、自閉症の子には加配がどうして必要なの?入園して困ることと加配の必要性とフォローについてご説明します。
加配とは、発達障害、自閉症、言葉の遅れなどがあると、そのような遅れや障害と認められた子3人に対して1人、保育園の先生を余分に付ける国の制度です。
もともとは、加配制度は、働くママのための保育園における制度で、厚生労働省の管轄です。先生を一人余分につけるということは、保育園には先生を余分につける費用がかかってしまいます。それを、国の税金でまかなっているのです。
加配は、厚生労働省の予算で保育園につけているため、原則、幼稚園に加配の制度はありません。
でも、教育委員会管轄の幼稚園でも、この加配制度を扱っている場合があります。
それは、市が加配のための独自予算を取っている場合です。
岐阜市の公立幼稚園の場合も、市の単独予算をとって、公立幼稚園1つに1人、加配の先生を配置しているそうです。
このような、加配の制度、どうして必要なんでしょうか。
発達障害、自閉症、言葉が遅い子が入園して困ることと、加配の先生の助けを借りるのは、次のようなことです。
発達障害や自閉症の子は、「他人との社会的関係の形成の困難さ」があります。
園の活動に興味が持てずに、集団行動が出来ないときなど、担任の先生とは別の加配の先生が居ることによって、フォローしてもらうことができます。
集団活動に参加できずに一人で教室を出てしまう子には、ついて、子どもの遊びに寄り添いながら、みんなの活動に参加できるように少しずつ促したり、お膝に座らせて活動へ参加しやすくしていきます。
また、自閉症や発達障害、言葉や発達が遅い子どもは、集団活動で、ブランコや滑り台などの園庭の遊具の順番待ちが出来ないということがあります。
集団生活で順番が待てないときに、待つことや待つ場所を教えて、待つように促します。
>> 自閉症の子どもの特徴とは?育てにくさと上手に付き合って育てていく関わり方・接し方 【Youtube動画解説付き】
また、自閉症や発達障害、言葉が遅い子どもは、おもちゃの貸し借りも苦手で、
自分の気持が抑えられなかったり、言葉でうまく伝えられないために、
取り合いになって叩いてしまうなど、他の子どもとトラブルになることも多いです。
そんなときに、先生が間に入って、「かして」「ちょうだい」などの言葉を促したり、
ケンカの仲裁に入ることもあります。
特に、怒って叩いたり、噛み付いたり、物を投げたりするような、他の子どもに迷惑がかかる行動が多い場合は、加配の先生が目を離すことなく、一日中、べったりその子どもについていないと行けない場合もあります。
>> 発達障害や自閉症の子の行動:子どもが物を投げることについての対応方法
発達障害や自閉症の子ども、言葉が遅い子は、先生の言うことの理解が難しかったり、自分の世界に入りやすかったりすることから、切り替えが難しいことがよくあります。
園庭の遊具で遊んでから、お部屋に入って活動しようね、と言っても、聞いてくれず、
一人だけ、お部屋に入ってくれないこともあります。
泣いて、癇癪をおこして、なかなか切り替えができないときは、なだめて、子どもの気持ちが持ち直すのを待ちます。
まだ小さい園児を一人外に置いてはおけないので、加配の先生が、子どもの心が切り替わるまでの間、
一緒にいることがあります。
>> 発達障害や自閉症の子の行動:気持ちの切り替えが苦手な子どもへの対処方法
>> 発達障害や自閉症の子の行動:切り替えがうまく出来ない子にやってほしい5つのこと
言葉が遅い子はもちろん、発達障害や自閉症の子も、言葉が遅れたり、言葉は理解していてもコミュニケーションをとることが苦手だったりします。
担任の先生の一斉指示が聞けない・理解ができない時に、加配の先生が個別に対応してもらうことができます。
>> 自閉症の子どもの言葉の理解と対処方法
また、言葉がうまく出てこない、相手の言葉が分からない、言葉で気持ちを抑制できない、などによって、お友達とおもちゃの取り合いなどのトラブルにならないように、加配の先生が見守り、助けてくださいます。
>> ことばの遅れとおとなしいや無口との違いって何?ことばが遅れると何が困るの?
>> 2歳や3歳の幼児期の言葉(遅れや出ないなど)で見直したい関わり方
加配の先生もずっと1日中つきっきりではないので、
加配の先生がそばにいないときに、お友達と物の取り合いをしてしまったり、
お友達とおしゃべりがうまくいかなくてうまく遊べなかったりしますよね。
せっかくお友達と関わろうとするお子さんが、お友達に自分の気持ちを伝えられるように、
言葉を教えてあげると、園でお子さんの困りごとがぐっと減り、もっと園で楽しく過ごせますよ。
私も同じように言葉が遅い・自閉症の子どもを育て、何年も子どもの癇癪や言葉の遅れに悩み続けました。
そんな私が息子から言葉を引き出し、会話ができるようにしていった経験をもとに、言葉の遅れに悩むご家族300組をサポートしてきた方法を、保育士監修の無料メール講座でお伝えしています。
▼まだ言葉が出ない、二語文や三語文が出ないお子さんにはこちら
ことばで伝えられると、癇癪やパニック、叩くなどの不適切な行動もなくなって、ママも楽になりますよ。
▼自分の要求は言えるけれど、共感の会話ができなお子さんにはこちら
おしゃべりが上手になると、お友達とも園でお友達ともっと楽しく遊べるようになりますよ。
▼よく喋るけれど、話がうまく伝わらない、
子どもが学校の様子やお友達とのトラブルを家で話してくれたら安心ですね。
自閉症や発達障害、発達の遅れがある子どもは、自分のことを自分でできなかったり、家では出来ても園で出来ないことなどがたくさんあります。
お昼寝が終わってパジャマに着替えるときに、自分で服を着ることができない、
給食の時間に自分でこぼさずに上手に食べることができない、
トイレをしっぱいしてもらしてしまう、
そういう、日常生活のことを、加配の先生に手伝ってもらいます。
また、発達障害や自閉症、発達がゆっくりな子どもは、手先が器用でない子どもも多いので、
お絵描きなどの遊び、はさみなどで指先を使うこと、など、本人の出来ないことを、丁寧に1つずつ指導し、できるまで寄り添って一緒に取り組んでくださいます。
私の息子も、自閉症スペクトラムで、小さい頃は自閉症特有の症状が多く出ていて、
言葉もおくれ、こだわりも強く、よく癇癪を起こしていました。
>>入園前の自閉症スペクトラムの息子が1歳の頃
保育園に入園するときに、加配をつけていただき、自閉症の息子が園で問題なく過ごせるように、少しでも成長するように、たくさん助けていただきました。
>>保育園で加配 自閉症スペクトラムの息子が2歳の頃 中度知的障害と診断されたときの様子
>>保育園で加配 自閉症スペクトラムの息子3歳・軽度知的障害と診断されたときの様子
加配がないと、発達障害や自閉症、言葉が遅い子は、本人のなかなか成長しないばかりか、
他の子どもへの関わりがうまく出来ずに、
迷惑をかけてしまったり、トラブルに成ることもあります。
特に幼稚園を選ぶときには、加配があるか、ないのであれば代わりにどんな対応をしてもらえるのかをよく確認して、幼稚園を選ぶと良いですね。
また、加配だけではなく、園の活動方針がお子さんにあっているかどうかもよく見極めていくと良いですよ。
Recommend