切り替えがうまく出来ない子にやってほしい5つのこと
切り替えが出来ないことで困っているというご相談をよくお聞きします。
・食事中に立ち歩いてしまう
・おもちゃを次から次へと出してしまって1つのおもちゃであそべない
・お絵かきの最中におもちゃの方へ行ってしまう
・絵本を次々に出して、めくるだけ
・着替え中におもちゃの方へ遊びに行ってしまう
実は、こういう子どもはとても増えています。
1歳や2歳の子どもの場合は、まだそういう発達段階ですが、3歳、4歳、5歳の子でも、片付けが出来ない、と言う子どもが増えています。
10年程前、小学校1年生が机に向かえない、学級崩壊が起きる、という「小1プロブレム」という問題が社会問題化し、文部科学省が「家庭や地域の教育力低下」とはっきり文書にしました。それを問題視して、子育て支援事業(児童センターや児童館の設置など)に力を入れたことも、このような、集中力が無い、落ち着きのない子が増えている状況をなんとか対策しようとしてきたからです。
このように、集中力や落ち着きがない子が明らかに増えていることについては、明らかです。
その原因の1つとして、私は、現在のライフスタイルにも深く関係していると感じています。
リビングダイニングキッチンが増え、食事するところと遊ぶところ、テレビを見るところが全部つながっている家が多い現代では、子どもが区切りをつけずらい環境にあります。そして、たくさんのおもちゃを買ってもらい、棚に並べてあるために、気が散りやすい環境になっていて、他のおもちゃに目移りしてしまい、1つの物とじっくり向き合えない、という状況にあります。
こういう状況なので、集中力が無い、落ち着きがない子どもが増えるのも当然なのです。
そして、私がサポートしている、お子さんの中にも、落ち着きがなかった子がこのような住環境を少し工夫しただけで、落ち着いて生活できるようになった事例がたくさんあり、子どもが落ち着ける、集中できる環境を大人がつくってあげる必要性を強く実感しています。
そこで、その方法をこちらの記事にまとめてみました。参考にしていただけたら嬉しいです。
子どもは、小さい頃はまだ集中力がなく、気が散りやすいので、気になる物が見えると集中できません。
部屋を分ける、部屋を仕切る、というようなことをしてあげると、気が散ることがなくなります。
遊ぶ、ご飯を食べる、テレビを見るなど、1つ終わってから次をする、という区切りをつけてあげると良いですよ。
つい立てのような大きなものが難しくても、つっかえ棒とのれんくらいなら、簡単に取り付けることができます。
空間をうまく仕切って、子どもが切り替えが出来るようになった事例をいくつかご紹介します。
◆事例◆テレビばかり見て他の事に誘っても切り替えができない
テレビのない部屋へおもちゃを持っていって遊ぶようにしました。
テレビが無いと、おもちゃで遊ぶことができました。
◆事例◆次々とおもちゃを出してしまうお子さん
何もない部屋で、1種類のおもちゃだけ持っていって遊ぶようにしました。
すると、そのおもちゃでしばらくは集中して遊ぶことができました。
◆事例◆食事中に立ち歩いておもちゃで遊んでしまうお子さん
リビングに背中をむける向きで椅子を置いて、ダイニングテーブルでご飯を食べてもらいました。
すると、立ち歩きがなくなりました。
おもちゃが見えると、おもちゃが気になってしまいますが、見えない位置に座ってもらうだけで食事中の立ち歩きがなくなり、解決しました。
最初に住環境について書きましたが、棚におもちゃがいっぱい並んでいる、というのが、今はよくあることと思います。
でも、おもちゃが沢山あると、目移りしてしまうので、1種類で遊んだら、箱に片づけて、次のおもちゃを出すようにすると良いですね。
片付けをしないでどんどん出すばかりだと、集中できないばかりか、お片付けが出来ない子になってしまいます。
児童館や保育園、幼稚園でも、使いたいおもちゃを出したい放題で、自分以外の人が触ると怒る、と言う風になってしまいます。
遊ぶときは1つだけ出して、遊び終わったら片づけてから次を出す、他のおもちゃは見えないように、棚にはカーテンをする、というような工夫をすると良いですよ。
園でお絵かきができない。誘われても嫌がる。だから、家で教えたい。でも、お絵かきは嫌いで乗ってこない。
みんなのように、遊びを切り替えて、お絵かきができない。
そういう特定のことが苦手で嫌だから、切り替えが出来ない場合は、ご褒美などで切り替えの気持ちを作ることも1つの手です。
頑張って描いたら、「あとでおやつにしようね」と、お絵かきにモチベーションをつけてあげるとよいですね。
ご褒美でつることに抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、大人もご褒美につられることありますよね。
今日もお仕事がんばったからご褒美のビール、とか、週末のランチとか。
ご褒美を使うことは、悪いことではないので、上手に使うと良いですね。
それから、このご褒美ルールは、よく小学生で使います。
お勉強を頑張ったらおやつにしようね。などです。
お絵かきが出来ないままだと、小学校に入ってからも字が上手に書けないので、モチベーションを持たせて、ちょっとでも描けるといいな、と思います。
おやつは、自然な形で誘うのがポイントです。
トイレでおしっこ出来たらあげるよ、のような使い方をすると、
おやつが無いとトイレでしなくなってしまうこともあります。
このように、いかにもご褒美と言う形で提示するのではなく、
「おやつの時間」という次の活動として提案してあげる方が、自然です。
「トイレに行ったらお風呂に入るよ」「手を洗ったらご飯ね」と同じように、見通しを立てるという使い方をすると良いですね。
また、ご褒美は、物とは限りません。
楽しい遊び自体が子どもにとってはご褒美になるので、子どもが乗り気のしない事は、楽しいやり方に工夫してあげると良いですよ。
朝起きても着替えてくれない、など、やってほしい時にやってくれない、という悩みもよくありますね。
そんなときは、大人のやってほしい順でないと本当にダメなのか、を考えてみると良いですよ。
朝眠たい時に、面倒な着替えをするように言われたら、やりたくないのが子どもです。
でも、お出かけ前に、急いで着替えて、遊びに行こう!となれば、
早く着替えていきたい!と子どもも思うものです。
毎日のルーティーンの生活サイクルは、順番を入れ替えられるものもたくさんありますので、
なるべくお子さんが抵抗なくできる順番に変えてあげるとスムーズですよ。
ママも、子どもを怒る機会が減るため、気持ちがラクになりますよ。
やらなければいけないことでも、子ども自身がそのやり方を認識していないと、よくわからないから抵抗する、ということもあります。
見通しが持てるように、やってほしいことをやってみせてあげたり、説明すると、見通しが持てて切り替えができることもありますよ。
こちらの記事にも詳しく書いていますので、是非、参考にしてくださいね。
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