クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法

クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法

クレーン現象とは

クレーン現象とは、大人の手を物に近づけて、自分の要求を叶えようとすることで、言葉が出ない・遅い発達障害自閉症の子どもによくあることですが、幼児期の子どもは障害が無い子にも見られます。

 

バナナを剥いてほしい時に、ママにバナナを差し出すのではなく、クレーン現象でママの手をバナナの皮に近づけたり、
物をとってほしい時に、取ってほしい物に手を伸ばしたり指差しするのではなく、クレーン現象でママの手をそっちへ近づけようとしたりします。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:皮をむいてほしいと大人の手を皮に近づける|澄川綾乃のカンタン家庭療育

クレーン現象の種類

クレーン現象の種類には、次のようなものがあります。
大人の手を持って行き(クレーン現象)、ジュースなどを注いでもらおうと、ジュースに大人の手を近づける。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:ジュースを注いでもらうために大人の手をジュースに近づける|澄川綾乃のカンタン家庭療育
大人の手を持って行き(クレーン現象)、皮を剥かせようとしたり、蓋をあけさせようとして、大人の手を果物や蓋に近づけようとする。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:皮をむいてほしいと大人の手を皮に近づける|澄川綾乃のカンタン家庭療育
大人の手を持って行き(クレーン現象)、取ってほしい物に近づけようとする。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:取ってと大人の手を物に近づける|澄川綾乃のカンタン家庭療育
大人の手を持って行き(クレーン現象)、絵を指差しさせようと、大人の手を絵本やカードに近づける。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:絵本の絵に大人の手を近づけ指差しを要求|澄川綾乃のカンタン家庭療育
大人の手をクレヨンの方へ持って行き(クレーン現象)、色を塗ってほしいと要求をしめす。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:塗り絵を塗ってと要求|澄川綾乃のカンタン家庭療育

大人の手を折り紙の方へ持って行き(クレーン現象)、折り紙を折ってほしい、作ってほしいと要求をしめす。

クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:折り紙を折ってと伝えようとする|澄川綾乃のカンタン家庭療育

大人の手を粘土の方へ持って行き(クレーン現象)、粘土で作ってほしいと要求をしめす。

クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:粘土で作ってと要求を伝えようとする|澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

大人の手を積み木の方へ持って行き(クレーン現象)、積み木を積んでほしいと要求をしめす。

クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:積み木を積んでほしいと伝えようとする|澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

大人の手を行きたい方へ押して(クレーン現象)、あっちへ行こうと要求する。普通は、自分の体が先に進行方向へ進み、うしろにいるママの手を引っ張るが、クレーン現象の場合は、自分たちは後ろにいて、手だけ前へ進めようとしたり、ママの身体を押したりするため、不自然に見える。

 

クレーン現象が自閉症の子どもや発達障害の子どもに多い原因は?

クレーン現象が自閉症発達障害の子どもに多い原因は、自閉症や発達障害の子どもの視野が狭いために、自分の要求を叶えてくれる「大人」が目に入らず、叶えている「手」のみが目に入ること、そして、言葉が遅く、言葉や指差しなどの手段で要求出来ないために、自分の要求を叶える手段として、大人の手を直接動かそうとするために、クレーン現象をします。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:絵本の絵に大人の手を近づけ指差しを要求|澄川綾乃のカンタン家庭療育

よって、お子さんがクレーン現象で要求してきたら、まずお子さんの目線の高さに合わせて、お互いの目を見てお互いを認識し合うこと、目を合わせることが大切です。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:目を合わせて視野を広げる|澄川綾乃のカンタン家庭療育

そして、クレーン現象を卒業するために、必要な言葉や指差しを教えていくことが大切です。

 

このように、自閉症や発達障害の子どもに、クレーン現象が多いですが、定型発達の子どもでも、クレーン現象をすることがあります。子どもの発達が心配なときは、市の子ども相談センターへ相談しましょう。

 

 

クレーン現象の対処方法:クレーンをなくし正しい言葉や行動におきかえよう

自分の要求や気持ちを言葉で伝えられるようになれば、クレーン現象はなくなっていきます

そうすると、癇癪もなくなるし、幼稚園などの集団生活も安心できます。

クレーン現象から言葉に変えていく方法を、以下でお伝えしたいと思います。

 

お子さんがクレーン現象で要求した時、お子さんの目線の高さに合わせて目の前に座ります。
そして、お子さんの目を見て「来て」と言って見本を見せ、オウム返ししてもらいます。
それから、手をつないで一緒に、目的の所へ行くようにしましょう。
クレーン現象から指差しへ 行きたい方向を指差す

そこでお子さんがお母さんの手をクレーン現象で、取ってほしいものに近づけようとしますよね。
そうしたら、「取って」と言って見本を見せ、言えるならまねして言ってもらいます。
それから、取ってあげてください。

 

まずは、お子さんの気持ちを代弁して、オウム返しで良いので、その場にあった正しい言葉を言えるようにしてあげましょう。
クレーン現象ではなく指差しで伝えられるように、その時に、お子さんの手で指差しの形を一緒に作ってあげると良いですね。
クレーン現象とは・発達障害や自閉症の子の特徴と対処方法:指差しが出来るようにする

この積み重ねによって、要求を叶えるためには、クレーン現象の他に、どんな行動や言葉をすれば伝わるのか覚えていきます
ちょうだい、と手を差し出す事や指さしすることなどを教えていきましょう。

 

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クレーン現象から言葉に変えていこう

ちょうだいから三語文まで発語を促すカンタン家庭療育

 

たとえクレーン現象でも、お子さんも、要求を伝えようと頑張っています。

伝えたい気持ちがあるって素晴らしいこと、それを言葉に変えていってあげると、もっと伝わります。

言葉が出てくると、癇癪や奇声も減り、育てやすくなりますよ。

 

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