会話が出来ない自閉症の子どもに質問にこたえる練習をする/言葉の受け答えの練習方法
自閉症(発達障害)、言葉が遅い子どものの家庭療育で、言葉が遅い子に重視してもらいたいのが、質問にこたえる練習です。
質問にこたえるということは、相手と向き合う、質問の意味を正しく理解する、自分で答えを考える、質問に答えるということが必要となるため、いろんな能力が必要です。
自閉症の子どもは言葉の理解が独特で、言葉で言うことが出来ても、相手に聞かれると答えられないことがあります。たとえば、「お風呂入る」と言えても、「何してる?」と聞かれると答えられない、などと言う事があるのです。
このように、自閉症の子は、そもそも、相手が言う質問の意味を理解していないことがよくあります。また、質問が分かっても、答え方が分からない場合もあります。
質問の意味を理解させることから始め、相手が聞いている内容を理解して答えられるようになるまでには、いろんな発達段階を1つずつステップアップしていく必要があります。
自閉症の子は、目に見えないことを理解するのが苦手な子が多いです。
だから、最初は、目に見える質問から見せながらしてあげると良いです。
「どっち?」「これなあに?」などの質問です。
また、質問しても、聞きっぱなしだと理解できないままです。
「どうしたの?」と聞いて、子どもが答えられないから、親子無言、となると、結局何を言われたのか分かりません。
質問が分からないときは、答えの見本を言ったり、選択肢を出したりしてあげましょう。そうすれば、繰り返し聞かれているうちに、相手が聞いている意味がわかってきます。
また、最初は、今目の前のことから聞いてあげましょう。
「何してる?」と聞いても答えられない子に、「今日幼稚園で何した?」と聞いても答えられるはずがありません。
教える順は、目の前の事が先、分かるようになってから、過去や未来です。
目の前のことに答えられるようになれば、自然と過去や未来の話も分かるようになっていきます。
最終的に高いレベルの質問になると、物事を抽象的に考えたりする力も必要となります。
これらが、就学に向けた力になっていきますので、まずは簡単なところから少しずつ練習していきましょう。
会話が出来ない自閉症の子どもには、まずは、簡単な質問にこたえることから練習していきましょう。
質問は、自閉症の子どもが簡単なものができるようになったら順に難しいものに取り組んでいきましょう。
以下、上が簡単なもの、下が難しいものです。参考にしてください。
◆好きな方を指さす 「どっちがいい?」
◆2つの物を並べて、言われたものを指さして言葉でも言う 「・・・はどっち?」
◆3択、4択にする 「どれ?」
◆2つのカードを並べて、言われた方を指さす
◆2つのカードを並べて、言われた方を指さして言葉でも言う
◆3択、4択にする
◆カルタ取りにする(絵がついた積み木でも良い)
◆写真を指して、これは誰と聞き、答える(お母さん、お父さん)
◆動作しているカードや写真を2枚並べて、○○しているのは誰と聞き、言われた方を指さす
◆動作しているカードや写真を2枚並べて、○○しているのは誰と聞き、言われた方を指さして答える
(くまさん、○○ちゃん、など)
◆果物何食べる?
◆おやつ何食べる?
◆何食べる?
◆どこへ行く?
◆何してる?
◆何作ってるの?
◆どうやって作ったの?
◆どんな気持ち?
◆どうしたの?
◆どうして泣いているの?
◆明日はどこ行きたい?
◆幼稚園で何してきた?
◆一往復の会話が続くようになったら、2往復、3往復と続くように、問いかけましょう。
「今日、幼稚園で何したの?」「運動会の練習」「なんの練習をしたの?」「障害物競走」「障害物競走って、何するの?」「ハードル」「他は?」「網くぐり」
◆病院で「今日はどうしたの?」
会話はこのように発達していきます。
言葉だけの会話が苦手な自閉症の子も、実物や写真など手がかりになる物を見せてあげれば会話しやすくなります。
最初から無理だとあきらめないで、まずは、分かるように話してあげる自問自答から始めてみてくださいね。
答えの見本を言ったり、選択肢を出したりしても、一向に答えられるようにならない場合は、ピンと来ていないのかもしれません。
工夫をすることで、受け答えを早く理解していく事が多いため、いろんな工夫の仕方を知ってもらうと良いですよ。
すくすく動画講座の「『うん』から質問に答えよう」でも、質問を理解させるための工夫の仕方と、話しかけるべき場面、声掛けの仕方を動画で詳しく解説していますので、うまくいかない方は参考にしてくださいね。
<【保育士監修】お役立ち情報>
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