言葉の遅れとベビーサイン 言葉の遅れの先にあるものは・・対処方法は?
言葉が遅いママの相談に乗る中で、ベビーサインをやっていた、という方がよくいらっしゃいます。流行っているから、というのもあると思います。
「ベビーサインをやっていたのが言葉が遅れている原因?」という質問が多いので、
原因と対処方法をまとめ記事にすることにしました。
ベビーサインは、言葉がまだ喋れないうちから、サインでコミュニケーションがとれ、
知能が他の子より早く伸びるんじゃないか、と期待してしまいますよね。
それなのに、なぜ言葉が遅れるのか、ちょっと不思議な感じがするかと思います。
ベビーサインで言葉が遅れる理由、それは、
ベビーサインが、音、つまり声の無いコミュニケーションだからなんです。
子どもが喋るのを、大人は当たり前だと思いがちですが、
実は、子どもが声を出すのって、意外と難しいんです。
私のご相談者の中には、子どもがベビーサインに頼りっきりになり、
発語を嫌がる子もいます。
そういう現実が実際にあり、自分におこるかもしれない、ということは
知っておいてほしいと思います。
よく、言葉が遅れていても通じているから大丈夫、と言われる方がいらっしゃいますが、
言葉を理解することと、自分で話すのは全く別物です。
私にご相談されている方の中で、こんなお子さんがいらっしゃいました。
ベビーサインをやっていたわけではない方ですが、
自分でお話しすることが苦手なお子さんでした。
絵本や、ママが言ったことの理解はものすごくしている。
だけど、自分の言葉でうまく説明することが出来ない。
発達検査では、言葉は1年遅れと診断されました。
5歳の年長に上がった4月に言われたことは、
1年間かけて公共の療育に通っても、
翌年の4月に普通学級へ入るのはむつかしいだろうと言われた、との事でした。
ただ言葉が遅いだけ、通じているから大丈夫、と親は思っても、
授業についていけないだろうと判断されれば、
当たり前だと思っていた普通に小学校に就学することも、
制限されてくることもあります。
「言葉の遅れを甘く見ていた!こんなはずではなかった」というご相談を沢山受けます。
また、小学校の普通学級に入っても、
毎年のように授業について行けずに支援学級へ変わってくる子がいます。
言葉がうまく出てこないために、お友達が出来ず、
不登校になったり、精神障害の症状が現れたりする子もいます。
言葉は追いついていっても、言葉で会話するのがせいいっぱい、表面的な言葉の裏にある人の気持ちが読めなかったり、その場の空気が読めなかったり、という状態が残ることもあります。
このように、言葉の遅れは、後々にまで、大きく影響してきます。
▼この点については、こちらの記事に詳しくお書きしていますので参考にしてください。
うまくおしゃべり出来ないだけ?言葉の遅れで思春期や将来に困ることと今からできる対策
ベビーサインをやっている子、みんなが、言葉が遅れるわけではありません。
また、ベビーサインのせいで遅れたのかは、はっきりしません。
言葉が遅れる要因は他にもいろいろあり、なかにはどうしようもないこともあります。
ベビーサインをしたけど、言葉が早かった、という方もいらっしゃいます。
それは、たまたまその子が言葉を話すのが得意な子だったかもしれません。
そのママも、ベビーサインに偏りすぎず、言葉を大切にしてきたからかもしれません。
ベビーサインをやっていなくても言葉が遅れることもよくあります。
ただ、何が原因だったかではなく、言葉の遅れについて、真剣に考えてあげてほしいです。
言葉の遅れに気付いたら、してあげられることは沢山あります。
世間では、「大丈夫、そのうち追いつく」と気休めを言われ、
真に受けてしまい、対処が遅れてなげいている方も少なくありません。
言葉の遅れを甘く見ないで、遅れているかもと思ったら、
はやめに関わり方を変えて、ベビーサインではない、言葉でのコミュニケーションの練習をしていきましょう。
それに、ベビーサインでは、発音の問題もあります。
音がきれいに出せるようになるには、どんな子もそれなりに時間がかかります。
ベビーサインに頼っていて、言葉や音を発する量が少ないと、発音もきれいに出せないまま大きくなることもあります。
さしすせそ、などの言葉がうまく出なくて「しゃ し しゅ せ しょ」となってしまうなど、
綺麗に音が出ないこともあります。
小さいうちは、発音が悪くても、
むしろそれが「かわいい」と言われることも多いでしょうが、
小学校に入ると、いじめの原因になるかも・・など心配ですよね。
ベビーサインをすることや、小さい頃から通じ合うこと自体は、もちろん悪いことではありません。
でも、どんなことでもそうですが、そればっかり、頼りっきりになってしまうと、他の事ができませんよね。
子どもは、一人では何も出来ない状態で生まれ、いろんなことを経験する中で、
言葉を話し、いろんな経験をして、いろんなことが出来るようになっていきます。
ですから、月齢・年齢に合った、いろんな働きかけをしてあげる必要がありますね。
<関連記事>
>> 「ベビーサインを教えたことに後悔しています」言葉の遅れを取り戻せば後悔も良い想い出に
>>言葉の遅れってどんなもの?具体例とうまくおしゃべりできるための関わり方
もうすでに、ベビーサインを使っていて、言葉が遅れてしまって困っている方、言葉を引き出す関わり方があります。
まず、まったく喋らない子の場合、季節の童謡を沢山歌ってあげましょう。
また、生活の中で、いろんな音をまねして見せて、音を出すことは楽しいことだと気づかせてあげてください。
動物の鳴きまね、空を飛ぶ飛行機の音、お水を流す音、周りには、たくさんの楽しい音であふれています。
ベビーサインだけの音のない世界から一歩外に出ると、音のある世界はこんな楽しい、ということに気づけば、
お子さんも音の世界に興味を持つはずです。
私も同じように言葉が遅い・自閉症の子どもを育て、何年も子どもの癇癪や言葉の遅れに悩み続けました。
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ベビーサインがきっかけで始めたコミュニケーション。
是非、次は、言葉の世界でのコミュニケーションにつないでいってほしいと思います。
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