1歳児の発達の特徴

1歳児の発達の特徴

1歳の幼児期の子どもの発達の特性は、厚生労働省の2008年告示の保育所保育指針及び解説に、次のように示されています。

おおむね一歳三か月から二歳未満の発達の特徴

<厚生労働省告示の保育所保育指針より>

歩き始め、手を使い、言葉を話すようになることにより、身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけていく。

 

歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。
その中で、物をやり取りしたり、取り合ったりする姿が見られるとともに、玩具等を実物に見立てるなどの象徴機能が発達し、人や物との関わりが強まる。
また、大人の言うことが分かるようになり、自分の意思を親しい大人に伝えたいという欲求が高まる。指差し、身振り、片言などを盛んに使うようになり、二語文を話し始める。

 

<厚生労働省告示の保育所保育指針解説より>

一歳三か月から二歳未満の発達の特徴:行動

【行動範囲の拡大】
この時期の子どもの発達の大きな特徴の一つは歩行の開始です。

歩けるようになることは子どもにとって大きな喜びであり、子どもは一歩一歩踏み出しながら行動範囲を広げ自ら環境に関わろうとする意欲を高めていきます。

1歳の赤ちゃんの発達の特徴 あんよ
歩行の獲得は、自分の意志で自分の体を動かすことができるようになることであり、子どもは、「自分でしたい」という欲求を生活のあらゆる場面において発揮していくことにつながります。
一人歩きを繰り返す中で、脚力やバランス力が身に付くとともに、歩くこ
とが安定すると、自由に手を使えるようになり、その機能も発達します。様々な物を手に取り、指先を使いながらつまんだり、拾ったり、引っ張ったり、物の出し入れや操作を何度も繰り返します。
また、絵本をめくったり、クレヨンなどでなぐり描きを楽しみます。
1歳の赤ちゃんの発達の特徴 めくる
その中で、物を媒介としたやり取りが子どもと大人の間で広がり、子どもの好奇心や遊びへの意欲が培われていきます。

 

一歳三か月から二歳未満の言葉の発達の特徴

【象徴機能と言葉の習得】
子どもは、応答的な大人との関わりによって、自ら呼びかけたり、拒否を
表す片言一語文を言ったり、言葉で言い表せないことは、指さし、身振りなどで示し、親しい大人に自分の気持ちを伝えようとします。

 

子どもの一語文や指さすものを言葉にして返していくなどの関わりにより、子どもは「マンマほしい」などの二語文を獲得していきます。

 

子どもは、体を使って遊びながら様々な場面や物へのイメージを膨らませ、そのイメージしたものを遊具などで見立てて遊ぶようになります。

このように実際に目の前にはない場面や事物を頭の中でイメージして、遊具などで見立てるという象徴機能の発達は、言葉を習得していくこととたいへん重要な関わりがあります。

1歳の赤ちゃんの発達の特徴 

一歳三か月から二歳未満の認知と心の発達の特徴:興味関心

【周囲の人への興味・関心】
この時期には、友達や周囲の人への興味や関心が高まります。

近くで他の子どもが玩具で遊んでいたり、大人と楽しそうにやり取りをしていたりすると、近づいて行こうとします。
また、他の子どものしぐさや行動を真似たり、同じ玩具を欲しがったりします。

特に、日常的に接している子ども同士では、同じことをして楽しむ関わりや、追いかけっこをする姿などが見られます。

その中で玩具の取り合いをしたり、相手に対し拒否したり、簡単な言葉で不満を訴えたりすることもありますが、こうした経験の中で、大人との関わりとは異なる子ども同士の関わりが育まれていきます。

1歳の赤ちゃんの発達の特徴 物の取り合い

 

一歳三か月未満はこちらをご覧ください。

0歳児の赤ちゃん(乳児)から1歳にかけての発達の特徴

 

<<幼児期の子どもの発達のリンク>>
幼児期の子どもの言葉の発達の順番
>> 乳幼児期の子どもの発達の特徴