自閉症の理解があいまいな子どもには「分かりやすく間をあけず」

自閉症の子の育て方・接し方:ポイント1 理解していない子どもには「分かりやすく間をあけず」

自閉症の子が理解しているようでしていないこととは?

自閉症や発達障害の子どもって、言葉を理解していない、と言われますが、
普段一緒に生活していると、こちらの言うことを理解しているように見え、
「定型発達の子(発達に遅れが無い子)とそんなに違わないじゃない!」と思われることも多いと思います。
そのとおりですよね。

実際、良くわかっていて、みんなと一緒に行動できる面も多いのです。

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日常生活で毎日やっていること、毎日の流れなどはとてもよく理解しています。
そして、その時のルールなどもしっかり守ってくれたりします。
だから、うちの子はこちらが言うことをよく理解しているから大丈夫と思ってしまいます。私も安心していました。

 

しかし、それは「言う言葉を1語1語理解して指示を聞いている訳ではなく、流れを覚えてやっている」という可能性があるのです
そうすると、違う場面で同じ言葉を使って指示しても理解できないことがあるんですね。
また、いつもと順番が変わると混乱するということもあると思います。

それが、自閉症の子どもの、理解のあいまいさにつながっています。
だから、わかっているようでわかっていない。どこがわからないのか親にもわからない、ということになってしまうのです。
自閉症が理解しているようでしていないのはことは?

 

自閉症の子どもにちゃんと理解してもらうには、
「分かってできる」という力を付けていく必要があります。
分かるためには、普段から分かりやすく伝えることが大切です。
その方法について、以下にご紹介します。

 

自閉症の子どもの言葉の理解を増やすには

自閉症の子どもの大きな特徴は、「耳で聞いて理解することが苦手」な事です。
だから、長い文章も苦手です。

 

「ごはん」「手 洗う」のように、短くはっきり言ってあげると良いですね。
目で見せれるものは見せながら、何を求められているかお子さんがよく分かるような状況づくりが大切です。

 

たとえば、お菓子が食べたいとき、お菓子を見せて「お菓子 ちょうだい」と言うように要求する。
そして、言えたら、すぐにお菓子をあげてください。
すぐに要求にこたえると、自分が言ったことと、その結果もらえたという因果関係を理解しやすいです。
そうやって、言葉と行動が結びつき、言葉を理解していきます。
言葉と行動、ご褒美の間があくと、因果関係がわかりづらくなり、
言葉を理解できなくなってしまうので、「間をあけず」がポイントです。

 

自分の要求を言葉にできていないお子さんは、
「だっこ」や「高い高い」「ちょうだい」などから試していくと、楽しくできて良いですね。
自閉症の子どもに言葉を理解させるためにわかりやすく

 

また、自閉症の子どもは、目に見えない動詞を理解することが苦手です。
それで、前後の文脈で判断してしまっていることもあります。

 

「ズボン履いてね」と言われて、「履いて」が理解できなくても、
ズボンを渡されたから、ただ履いただけ、ということがあります。

「ズボン履いてね」を「履く」と理解しても、
初めてスカートを見たとき、「スカート履いてね。」と言われても、
履くという動詞だけでは、履くという動作が分からず、
スカートを衣服だと想像できないことがあります。

 

そのように、自閉症の子どもは、動詞がとても苦手です。
動詞を理解するために、絵カードや動作で1つずつ教えていかないと覚えられない自閉症の子どもも多いです。

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自閉症の子どもの言葉の理解 動詞が分からない

自閉症の子どもの行動の理解を増やすには

自閉症の子どもは、言葉の理解の他にも、理解が難しいことがあります。
目で見て理解することが得意ではあるものの、
小さい頃は、細かい部分までを見て、理解して、行動することが難しいです。

 

たとえば、おままごとの包丁を反対向きにして使うことも多いです。
背の部分で切ろうとします。
こういう、細かい行動について、自閉症の子どもは気付きにくいです。

 

それを言葉で指摘しても通じないことが多いので、
そっと包丁の向きを反対にしてあげると良いですね。

 

他にも、同じようなことで、自閉症の子どもは、着替えをするのはわかっても、
自分で脱ぎ着やボタンが出来ずに、いつまでも手伝いを必要としたりします。

 

自閉症の子どもに教えるときは「習うより慣れろ」を目標に、手取り足取り教えると、
わかるようになっていきます。
自閉症の子どもの言葉の理解 動詞が理解できない

 

自閉症の子どもの理解 因果関係が分からない場合の対処方法

自閉症の子どもは、因果関係を理解できないことが多いです。
因果関係は目には見えない抽象的な概念のため、自閉症の子どもにとってはとても難しいのです。

 

自閉症の子どものトイレトレーニングでは、
おしっこしたくなったら、トイレに行く、というようなことも、何のためにトイレに行くのか理解が出来ず、
トイレに行っても座るだけで排泄できない、ということもよくあります。

 

また、トイレで排泄する、というようなことは、
タイミングを合わせてうまく成功体験を作ってあげることで、理解していきますよ。

 

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それで、もう夕方だから、家に帰る頃だよ、と言っても理解できずに、
いつまでも公園で遊び続けて、家族が困ることもあります。

 

テレビは30分だけ、とか1日1回だけ、などの意味が分からず、
約束が守れないことがあります。

 

時間になっても行動の切り替えが出来ないようなときには、
時計を使って、時間という目に見えないものを、目に見える形にしてあげると
理解しやすいです。

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自閉症の子どもは理解できないから切り替えも難しい

 

自閉症の子どもは 理解できないから癇癪をよく起こす

自閉症の子どもは、突然癇癪を起こしすことがあります。
後ろに突然ひっくり返ったり、大声をあげたり、頭を床に打ち付けたりすることがあります。
うちの子はなんて育てにくいんだろう、わがまま!と思ってしまうこともあるでしょうが、
実は、ただ理解が出来ないだけなんです。

 

理解できないことを強要されることで、癇癪を起こします。
癇癪を起こすと、子どもも辛いし、ママも辛いですよね。
自閉症の子どもが癇癪をおこしたときは、
子どもに理解できないことがあったんだなあと、思ってあげると良いですね。
普段から、なるべく、子どもにわかりやすくしてあげることが大切です。

 

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「分かりやすく・間をあけず」の関わり方で子どもの理解度がよく分かるように

こうした、「分かりやすく/間をあけず」という関わり方をしていくと、お子さんが1つずつ、理解して行動できるように変化していきます。
また、教えている側も、お子さんが何を理解して、何が理解できていないかが分かるようになり、小さな成長に目を向けられるようになります。

我が子の小さな成長が感じられたら、頑張っている我が子が愛しくて、誇らしくなり、よりわが子を愛せるようになりますよ。
楽しく教えていってくださいね。