発達障害のカミングアウトとは?周りの人への伝え方

カミングアウトとは?発達障害や自閉症を伝える

カミングアウトとは、発達障害自閉症などの障害があることを周囲の人に伝えることを言います。
障害があるということを言うのかどうか、という問題だけでなく、子どもの特性を正しく相手に伝えることによって、周囲の人との関係の改善や、本人が生きやすくなるという利点があるので、カミングアウトや周囲への伝え方についてお伝えしたいと思います。
 

発達障害のカミングアウトをするかどうか

発達障害に限らず、様々な病気や障害でも、日常に支障をきたし、人にどうしても説明する必要がないのであれば、あえて言わないことも多いと思います。
特に、子どもの様子から、周りが感じ取って、気遣いをしてくれている場合は、あえて言う必要もありません。
 
どんな時に、どんな人にカミングアウトをしておくと良いか、お伝えしたいと思います。
 
 

発達障害や自閉症ということをカミングアウトまたは伝えておいた方が良い相手

しっかりと、お子さんの診断名や、療育に通っていることなどを伝えておきたい相手は、次の方です。
お子さんを見てくださる先生方には、情報をしっかり共有して、適切なアドバイスを受けられるようにしておきましょう。
 

園や学校の校長先生や担任の先生

当たり前のように思われるかもしれませんが、待機児童問題で、保育園や幼稚園の入園を断られるのを恐れて言わない方がいらっしゃいます。
「言わなかったら受け入れてもらえる、言ったら断られる」ということは、本人に必要な支援が受けられないという事。そのために、後で転園しているケースもたくさん見受けられます。
園はお子さんの大切な生活の場。加配や必要な手助けや支援が受けられるように、入園時や、お子さんの遅れが分かったときにきちんと相談しておきましょう。
発達障害の子の入園(幼稚園・保育園)
 

療育の先生には園や学校の様子、困りごとを伝えよう

お子さんの困りごとなど、療育の先生にはしっかりとお伝えして、対処方法を聞くようにしましょう。
特に、園の先生から何も聞いていない場合でも、園で困りごとがある場合があります。
お母さんに言うと心配されるから、園で解決しよう、となさっている場合や、大事でないときなどは、親まで話が届いて来ないことがあります。
時々、園の先生に、園で困っていることが無いかどうかを確認するようにしましょう。
 

習い事の先生

ピアノやスイミングなどの習い事をするときは、お子さんの苦手な事などを伝えて、そのときにどう対応してほしいかをお願いしておきましょう。
発達障害の子の習い事
 
 

子どもの特性を伝えて関わり方をお願いしておきたい相手とその場合

お子さんが、周囲の子達とうまく行っていない場合

迷惑をかけてしまっている場合に、一言言った方が良い場合もあります。
診断名まで言う必要は無いですが、うちの子はこういう事が苦手です、こういうときに、こう対応して頂けると嬉しいです。というようなことを伝えておくと良いですね。
 

お子さんの障害がごく軽度であるために「わがまま」だと嫌われている場合

子どもの障害が軽度であればあるほど、障害ではなく、ただのわがままだから我慢させなさいと思われている場合があります。
そのような場合は、あえて診断名を出した方が、相手が納得してくれる場合もあります。
 

言い方で気を付けたいこと

周りの人達、つまり、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、親戚、保育園のお友達のお母さんや保育士に自分のお子さんをどのように紹介したり話をしていますか。
 
よく「うちの子、迷惑ばかりかけてごめんなさい。家でも手をやいているんです。」
日本人って謙遜しますよね。でも、謙遜はしないようにしたいです。
ご自身の事を「私なんて」と話される方、これも実はよくありません。

 
人間は意外に素直で、何度も何度も聞かされると、それを事実だと思い込んでしまいます
うちの子はダメだ、ダメだと言っていると、周囲の人も「この子はだめだから」という扱いになってしまいます。
更には、知らぬ間に、自分もそういう扱いをしていることがある
ために、注意したいですね。
 
昔から言葉は魂だ、現実になると言いますよね。まさにそのとおりです。
それは、洗脳と同じことですよね。
今日から謙遜はやめましょう。
 
「この子は発達が遅れていて、迷惑をかけることもあると思いますが、みんなの事が大好きで、みんなと一緒に頑張れるように、いつも家で練習しています。
プールのわに泳ぎも、水につける練習も、お風呂で毎日やっているんですよ。
だから、温かい目で見てやってください。手を差し伸べてやってください。
と言うように、普段みんなから見えない頑張りを伝えると良いですよ。
 
頑張っている人には、みんな優しいものです。
 
私は、保育園のれんらくちょうにも、出来るようになったこと、練習していることを書くようにしています。
そうすることで、保育園でもそれを出来るか試してみてくださったりします。
活動の時にも、これは出来る、これは出来ないと判断して、より充実した活動になります。
そして何より、保育士の方も、自分が教えたことをお子さんが自分から進んで家で復習して練習していると知れば、うれしいですよね。
 
ご家族や親戚だって、今日これができなかった、こんなことばっかりで困ると聞かされていると、お子さんの悪いイメージしか付きません。
育児を直接していない分、余計に不安だし、何もできない自分にもどかしくなります。
出来ないことばかり伝えるのではなく「昨日できなかった事が、今日できた」という日々の成長を伝えると良いです。
そうするとご家族や親戚も安心だし、じゃあ手伝ってあげようかな、と前向きに思ってくださいますよ。