自閉傾向が強くなったと感じたら・・・言葉が遅い子の関わり方
2021年1月28日9:00 AM カテゴリー:発達障害や言葉が遅い子の家庭療育方法
自閉傾向が強くなったと感じたら・・・
最近、立て続けにこんなご相談やご質問をいただきました。
「最近、自閉傾向が強くなったと感じます。」
同じように思っている方もいらっしゃると思いますので、
自閉傾向について、詳しくお伝えしたいと思います。
自閉傾向が強くなる理由については、
・できることが少ない
・構ってあげていない
・みんなについていけない
・コミュニケーションが取れない
のが大きな理由になります。
自閉傾向が強くなる理由1 できることが少ない
1歳や2歳の頃は、絵本を見たり
積み木を積んだりもした。
型はめやパズルもやっていた。
でも、3歳になったら、
一人の世界に入ってしまい、
話しかけたり一緒に遊ぼうとすると逃げていく
ということがあります。
なんででしょうか。
実は、もう習得してしまった遊びには、
飽きてしまうんですね。
そして、ほかのことを求める。
でも、年齢相応の次の遊びとなると、
積み木を並べたり積むのではなくて見立てて作る。
それは難しくてできない。
何をつくったらいいか分からない、想像力がない、
手先が不器用で作れない。
そうなると、暇になって、
自分の空想の世界に入り込んでしまうという事もあります。
自閉傾向が強くなる理由2 構ってあげていない
上記のように、遊びが発達していないと
何に誘っても子どもが乗ってこないため
親もどうしていいか分からず、
構ってあげていないということがあります。
そうするとますます自分の殻に閉じこもり
自閉傾向が強くなり、悪循環に陥ります。
自閉傾向が強くなる理由3 みんなについていけない
園で自閉傾向が強く出る場合、
自分の出来ることが少なかったり、
うまく人と一緒に遊べなかったり、
園の活動に参加できないと、
自分の殻に閉じこもりがちになります。
それで、自閉傾向が強くなります。
年少さんでは、粘土制作、お絵描き、折り紙、
季節の工作などの活動をします。
うまくできないと、やりたくないため、
部屋から脱走する子も多いです。
また、鬼ごっこなどのルールの理解が出来ないため、
設定遊びに参加できない、
などもあります。
そうすると、よくわからないことに参加するより
自分の空想の世界にいる方が楽しくなって
自閉傾向が強くなることもあります。
年少の頃はよかったけれど、
年中や年長になって自閉傾向が強くなったなどの場合、
園の活動が難しくなったのについていけていないから
ということもあります。
また、この1月、2月、3月の時期に強く出る場合、
園でよく2月に行われる生活発表会の練習についていけない、
3月の卒園式の練習がつまらない
ということもあります。
みんなが出来ることを出来るようにしてあげることや
一緒に遊べるようにしていくことで改善していきます。
自閉傾向が強くなる理由 コミュニケーションが取れない・言葉が理解できない
コミュニケーションがうまく取れず、
自分の思いが相手に伝わらない、
相手の言っていることが分からない
言葉が遅れていて、先生の話が理解できない
などの場合も、
分からないから自分の殻に閉じこもってしまい、
自閉傾向が強くなります。
よくある誤解ですが、
自閉傾向=自閉症
自閉症でなければ自閉傾向はない
自閉症であるかないかの判断が重要
などと誤解されることがあります。
でも、単純に考えてもらうと分かりやすいのですが、
一人の時間が長ければ、
自分の殻に閉じこもりがちになるのは当然なんです。
配偶者を無くした老人が
一人の時間が増えて、
認知症が始まるのと同じように、
人間は、自分一人の時間が長ければ、
自分の殻に閉じこもるのは自然なことです。
思春期の女子で友達が出来なくてさみしくて、
ウツっぽくなる子もいます。
自閉傾向を少なくしていくために 大事なママの関わり方
自閉症かどうかが大事なのではなく、
人間社会で生活していくためには、
人と同じような能力を習得していく必要があるんです。
無理して教え込む、ということではなく、
生活の中で、出来る範囲で出来ることをしていくだけです。
その、「出来ることをしていく」ということが、
知識がないために、
やっていない方がとても多いのです。
やっていくことで、ちゃんと成長していきます。
こだわりが強い場合も、食わず嫌いだったり、
できることや分かることに固執していることが多いのです。
苦手な事を無理なく減らしていけば、
こだわりも徐々に減っていきますよ。
澄川綾乃のことばカンタン家庭療育では、
保育士監修の、
300組以上の母子を支援してきた方法をお伝えし
子どもの出来ることを増やすためのお手伝いをしています。
すくすく動画講座では、
関わり方をざっと学んでいただくことが出来ます。
・ごっこ遊びからやり取り遊びを始めよう
(人と関わって遊んで自閉傾向を減らしながら、
コミュニケーションを習得させていく)
・遊びの力をつけよう
(折り紙、お絵描き、積み木など
年少さんからの設定活動にちゃんと参加できるように)
・集中力をつけて長く遊ぼう
などで、詳しい関わり方をご説明しています。
これらをしっかりやっていき、
家でママとの関わり遊びをしていく、
園の活動に参加できる基礎作りをする、
すると自閉傾向がだんだんと減っていきます。
出来ることを増やしてあげることが大切です。
また、会話が成り立たない
言葉が出ない、コミュニケーションが取れない場合
コミュニケーションをしっかりとっていくこと、
いろんな音を楽しく聞かせてあげる事、
人の真似が上手にできる事
などを取り組んでいくことで、だんだんと改善していきますよ。
大人のやることの真似が上手になると良いですよ。
・まねっこの力をつけよう
・音から言葉を引き出そう
・うんから質問に答えよう(コミュニケーション)
・単語から二語部・三語文を引き出そう
などで、言葉の力をつけていくと良いですよ。
家庭療育プログラムでの成長事例:
言葉が出ていなかった3歳の子
<1ケ月後のご成長ぶり>
音から要求の言葉に変わって言葉が出始めました。
要求の言葉を真似して言おうとするようになりました。
だっこの「だ」、
ちょうだいの「い」
単語も出てくるようになりました。
「くつ」
「あつい」
「ひ」(ひこうき)の意味
「き」(きりん)の意味
「わんわん」「にゃんにゃん」などの鳴きまねもするようになりました。
<2ケ月後のご成長ぶり>
質問に指差して答えるようになってきました
この服着る?これ食べる?など聞いている。
たまに頷いたり、これと指さしたりしてくれる。
写真で、「誰」と聞いたときに
ママ、パパ、ばあば、じいじなどと答えてくれるようになりました。
指さして自分で言うこともあります。
インターフォンがなると、パパ、パパと言うようになりました。
<3ケ月目 二語文が出始め>
言葉のやり取りができてうれしかったです
「ママ きき」 (来て)の意味
「ママ や」 (やって)の意味
二語文のような言葉が出てきてうれしかったです。
お歌の真似もするようになりました。
「だんご だんご」
「かゆい、かゆい」と言うので、
「どこ?」と聞くと
「ここ」言ってくれるようになりました。
毎日行く日の前日に
「明日どこ行くか知ってる?」と聞くようにしている。
娘の言える言葉で明日行く場所を答えてくれる。
言葉のやり取り、
言葉のキャッチボール出来たのがうれしかったです。
救急車を見て「ピーピー」
パトカー「パ、パー」 というようになりました。
●言葉の遅れがある3歳のお子さんの事例
ここ数日、驚くほど言葉の成長を遂げています。
今までは、目に見えるものに対して
「これなあに?」と聞いてきたのですが、
会話や歌の歌詞をもってきて
「ツルンはなあに?」「ガソリンはなあに?」
と聞いてくるようになりました。
そして、Aを言うとA’ではなく
Bが返ってくる会話も増えてきて、とても楽しいです!
昨日は、買い物から帰ってきたら
「どこから帰ってきたの?」
「何を買ってきたの?」と2つも質問してくれました。
今まではスルーだったので感激です。
先生からアドバイスをいただいたことを
積極的に使っている成果を実感しております。
ありがとうございます!
関わり方を知れば、
子どもの成長を無理なく引き出していくことができます。
サポートはこちら
<年少さんまでにやっておきたい 関わり方をざっと学ぶ>
無理なくコツコツと子どもの出来ることを増やしたい方へ
<毎月必要なことだけ学んで 着実に力をつけていく家庭療育プログラム>
軽度な言葉の遅れに