発達障害や言葉が遅い子の家庭療育方法

子どもが癇癪を起こした時に なるべく穏やかに済ませる関わり方

子どもが癇癪を起こした時に なるべく穏やかに済ませる関わり方

 

子どもが癇癪を起したとき、数分で落ち着けばよいのですが、30分、1時間、・・・と癇癪を起こしっぱなしだと、本人も周りも疲れてしまいますよね。

さらには、家庭内暴力にまでなると、家族は暴力の痛みや悲しみで苦しむことにもなります。

 

そこで、息子の癇癪に長年悩まされ、家庭内暴力にまでなったけれど、関わり方を変えて、癇癪を「怒っている」程度に済ませられるようになった私が、どうやって改善していったのか、お伝えしたいと思います。

 

お子さんのタイプなどによって、当てはまらないこともあるかもしれませんが、何か参考になって、苦しみが減っていけば、幸いです。

 

癇癪が始まったら なるべくそっとする

癇癪起こしてる時に、こちらが注意をしたり怒ったりすると、癇癪はますますエスカレートして、暴力を振るってきたり物を投げてきたり、過激な行動に出ることがあります。

 

子どもが癇癪を起こしている、駄々をこねている、機嫌が悪いような時には、そっと見守ることが良いです。

 

子供の機嫌を直そうと、何か楽しい事に誘ったりテレビを見せたりすることでうまくいく場合や時期もありますが、

かえって刺激になって逆ギレすることもあります。

 

逆切れパターンに陥りやすい場合には、構わない、何とかしようと思わないで、そっとすることに徹したほうがうまくいきます。

 

 

癇癪は 本人が自ら諦めるのを待つ

例えば、雨が降っているのに公園に行きたいなどと、

無理な要求をすることがあります。

 

この場合、年齢や発達段階、知的障害のレベルがどのくらいかによって対応方法が違うんですけれども、

子どもが無理だとわかる場合には、

本人に勝手にやらせて、やっぱり無理だよねと諦めさせるのも1つの手で、癇癪が穏やかに済む場合もあります。

 

雨が降っていて公園で遊んでも平気な場合は、「雨だから自分で諦める」という行動ではなく、遊んでしまうため、雨に濡れて風邪を引いてしまうので遊ばせるわけにいきません。

こういう場合は、上記の本人に任せる方法は取れません。

 

 

自ら考えて判断するのが難しい子供の場合は、やはり親がそういう環境にしないということが大切なので、家の中で遊ばせて機嫌をとるか、

屋内で遊べる場所を探してあげる必要があります。

これは、癇癪が起きてからよりも、天気予報を見て、予定を考えて置いてあげる事前の準備をすると良いです。

 

話を戻しますが、親にダメだと言われて諦めるのと、

子供自身が現実を把握して諦めるのとでは、

やらされた感が違うので、本人が判断できる場合は、自分で気付いて諦める方向の方が癇癪はひどくなりにくいです。

 

この辺りは、子供の特性や発達段階によってもかなり違いますが、時と場合によっては、自分で駄目だと分かったときに、余計に癇癪がひどくなることもあります。

 

うちの息子の場合は、建物が休館で鍵がかかっていて入れないという状態であれば、

自分で諦めることが出来ます。

でも、ほかのお子さんで、これがダメな子もいます。

楽しみにして行ったのに、閉まっていたら大変なことになる、という子もいます。

 

息子の場合、

建物に入れないような分かりやすいことなら、本人が自ら諦めることが多いです。

 

ですが、建物は開いているのに、遊ぶのには年齢制限などの条件がある、というような場合には、

自分の年齢を明確にわかっていても、我慢が出来ません。

 

それは、常識的に考えてみても仕方のないことかと思います。

いくら理解ができたとしても、他の子が楽しそうに遊んでいればやっぱり自分だって遊びたいのは子供だから、

定型発達の子供でも面白いことではないと思います。

 

発達がゆっくりな子供ならなおさら、それを受け入れられるかというと難しいのは、当然なんじゃないかなと思います。

 

癇癪のときに 刺激になるものはそっと・そそくさと片付ける

手の届く位置に手に持って投げやすいようなものがあると、反射的に投げてしまうことがあります。

 

特に、物を投げる事がひどい場合には、

癇癪が起きそうだなあとか起きてきたなーと思ったら、

目の前のものをテキパキ、ささっと片付けると良いです。

 

その時に、いかにも片付けてます、あなたが怒り出したから私が対処しているのよ、という表情を子どもに見せると、

カンに触って、余計に怒ったり叩いたり投げようとするので、

あくまで、早く家事を終わらせる母親ですという顔をして、

いつも通りあ早く片付けなくっちゃという感じが良いです。

 

顔の表情はニコニコ穏やかなまま子供を刺激しないようにして片付けるとうまくいきやすいです。

 

よく物を投げる場合、普段からなるべく、物は見えないところにしまうというようにして、目につく物を減らした方が良いです。

 

うちの息子は、テレビに物を投げて、テレビを壊してしまうということが何度かありました。

 

そこで、テレビの周りにはなるべく物を置かない、特に投げやすいものや当たったら壊れてしまうようなものは、テレビの周りに置かないようにしました。

 

テレビの前にテーブルがあったので、テーブルの上のものは、箱に入れて、テーブルの下に整理して片付けるようにしました。

 

あまり刺激しないように関わり方を変えたこともあるのですが、物がないことによって、息子も怒った時に反射的に目に入ってそれを投げるというのがなくなりました

 

子供が癇癪を起こしている時は、理性的に考えられていないので、反射的に行動をしてしまうというパターンが多いです。

 

だから、大人が落ち着いて、子供の反射的な行動を防げば、癇癪は割と穏やかにやり過ごすことができます。

 

癇癪時 安全な場所や安心する所に移動する

癇癪を起こしている時には、子どもがパニックになりやすく、物を投げたりする危険性があるので、あまりものがいっぱいあるようなところにいるよりは安全な場所に移動した方が良いです。

 

子どもを移動させよう、連れて行こうとすると、癇癪の最中は反抗的な態度が多いので、うまく行きづらいです。

 

でも、子どもは、ママが移動すればついて来る事が多いので、ママが移動するとうまくいきやすいですよ。

 

私は布団のある寝る部屋に行くようにしています。

私自身も布団の上でゴロゴロして、布団へ誘ったりもしました。

 

うちの場合、布団の部屋の隣の部屋が子どもが遊べる部屋になっていて、

戸が開いて、寝室から子どもの遊んでいる様子を観察することができます。

 

私が、寝室で避難をして、ゴロゴロしていると、息子は私の隣でゴロゴロすることもありますが、

隣の部屋でいつものおもちゃで遊び出すこともあります。

 

このように、遊んでいる部屋の隣に、「落ち着ける部屋」を用意するという考え方は、「クーリングルーム」といって、児童発達支援や放課後等デイサービスでは法令で義務付けされています。

 

つまり、そのぐらい効果がある、必要な方法だということです。

 

何もな無い、子どもが気分気持ちを落ち着けられる部屋か、または、部屋とまでいかなくても、ちょっとしたパーテーションで仕切った場所でもいいので、お子さんが気持ちを静められる場所を作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

癇癪時は 子どもと上手く距離をとる

子どもが癇癪起こして気持ちが高ぶっている時には、

なるべく刺激しないために離れた方が無難です。

 

離れる時に、「私は逃げます」というような態度を親が示してしまうと、子どもは必死で追いかけてきます。

 

トイレにでも行くかのように、やり残した家事をやりに行くかのように、何食わぬ顔でそっと静かに席を離れるとうまくいきやすいです。

 

 

子どもがついてきた場合でも、子供との距離を一歩でも2歩でも離しておくと無難です。

 

そうすることで、子ども、親を感情のはけ口にすることが少なくなります。

 

手が届く位置だと、怒りに任せて、つい当たってしまうということもあって、それが家庭内暴力のきっかけにもなりかねませんので、

上手く距離を取って行くと良いですよ。

 

 

癇癪時の子どもには 言葉は最低限にして視覚支援

 

言葉で何かを説明されると、叱られている気持ちになって余計に逆ギレしてしまう場合があります。

 

視覚支援で伝えた方が、子どもの感情を逆なですることが少ないかもしれません。

 

何かやるべきことをやってなくて癇癪を起こすのであれば、やるべきことの絵カードや写真を置いて指差してニコッとする、それ以上は何もしずに見守るなどです。

 

食事を食べない、薬を飲まないようなものであれば、目の前にそっと置いて指差して、一回だけニコッとする、

あとは本人がどうするか見守る。

食べるものだったら、まぁ半分でも1/3でも食べればまあ良しとするというように、

なるべくま本人が視覚支援により自らやるという気持ちを育てていくと良いですよ。

 

癇癪時・その後の 親の気持ちの持ち方

子供がパニックになる、癇癪を起こすと、親はとてもストレスが溜まります。

私も、癇癪を起こした時の息子の声の大きさなのか、その時の精神的な私のストレスなのか分からないんですが、いつも耳が中耳炎になった時のようにボーンと聞きづらい変な感じになります。

かなり精神的に自分がきついんだろうなと思います。

 

でも、残念ながら、子どもだから仕方がないんです。

 

癇癪をゼロにしようと思ってもなかなかゼロにはなりません。

 

癇癪の頻度を少なくしたり、1回の癇癪の時の被害を小さくしたりすることはできますが、全くゼロになるというのは難しいです。

 

癇癪ゼロを期待してしまうと、1回癇癪が起きただけで精神的に親が打ちのめされてしまいます。

でも、そもそも癇癪を起こすのが子どもだと思っておいて、そこは逆に諦めた方が親もショックが小さいかと思います。

 

年齢とともに、少しずつ癇癪の頻度が減ったり、癇癪の時に物を投げたりすることが減ってくれば、それは成長しているので、そういう現実的な範囲で子供を見てあげてほしいと思います。

 

どうしても、子どもの癇癪を受け入れるのが難しい場合は、子どもを何とかしようとか、接し方を変えようとか言う前に、専門家にお世話になると良いですよ。

 

子どもと距離をおき、外で預かってもらえる場所を探すのが良いです。

児童発達支援や放課後等デイサービス、日中一時支援、移動支援などのサービスを探して、専門家に預かってもらうという方向で考えるのがお勧めです。

 

預かってもらえるだけでなく、うまくいきやすい対処方法も相談できるので、とても心強いですよ。

 

子育ては長いです。

子どもが成人するまでは、親が中心になって子育てしていくので、協力者を作っていき、上手くやり過ごしてほしいと思います。

 

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