4歳自閉症 断定や推測や仮定を使い分けた自然な会話を目指して! 言葉集中療育プログラム
2017年10月22日6:59 AM カテゴリー:発達障害や言葉が遅い子の家庭療育の効果・発達状況・お客様の声
自閉症スペクトラムと診断されている4歳(年少)のお子さんの言葉集中療育プログラムのご相談支援事例です。
知的な興味が強いお子さん。自分のやりたいことをどんどん思いついてやっていきます。
漢字も書けるし、図を描くのも得意。
園の活動のように、幼児がやる内容を、丁寧に仕上げる、ということが、
このお子さんにとっては、つまらないようで、なかなか参加できません。
それでも、みんなの活動の中で、自分のやりたいことを見つけて、少しずつ取り組む姿が見られるようになったそうです。
先日、園では、みんながイベントの準備をしているときに、
自分もやりたい出し物を決めて自分で制作することができたそうです。
幼児の制作物というより、小学校の子どもが制作するような、図や文字を入れた作品を一人で30分くらいで作ってしまったそうです。
せっかく作った制作物。でも作る過程で満足してしまって、
本番は違う役をやりたがって、自分のイベントを「閉店です。」と宣言し、
自分の役をやらずに、他の役へ参加したそうです。
こういうお子さんには、事前の準備段階とは別に、
本番にも何か、新しい楽しみの要素を入れてあげれば、当日も新鮮味と興味で参加することができます。
ママにそれをアドバイスし、次回以降、ご検討いただくことにしました。
加配が無い幼稚園なのでママと母子通園されています。
こちらの教室には、ご兄弟と一緒にお越しいただいているので、
自分たちのしたい遊びに集中することができます。
教室に着いたときには、こんなことを必死に訴えてきました。
お子さん「二階におばけがいた」
私「どんなおばけ?」
お子さん「2階にお化けがいた」
自分の言いたいことを繰り返して、質問を聞いてくれないので、おばけのイラストを見せながら、
「一つ目のおばけ?」と聞いて、私の顔で目を片目隠すと、
お子さんもまねして「一つ目」と言ってくれました。
おばけの種類を理解していなかったり、概念を理解していない様子なので、
今後の家庭療育プログラムに入れていき、会話が続くようにしていくことにしました。
のちのちに、よく聞いてみると、
「暗かった」と言っていたので、
「暗いからおばけが出るかもしれない」と言いたかったようです。
断定と推測や仮定の使い分けが出来ないために、相手に正確に伝わらなかったり、不自然な会話になったり・・・今後のプログラムに入れていく内容です。
こうやって、1つずつ、自分の思いを、なるべく正確に言葉にして伝える練習をしていきます。
このように、苦手な言葉を1つずつ覚えて練習していくことで、確実に言葉を習得してきています。
要求語を覚え、質問の意味を1つずつ理解して、質問に答えられるようになり、1往復、2往復と、少しずつ会話が成り立つようになってきました。
お子さん「幼稚園行きたくない」
ママ「なんで?」
お子さん「叩かれるから」
というような理由も言えるようになってきました。
今は、幼稚園の先生に許可を得る練習もしています。
家では、レストランさんごっこなども行い、
「どっちですか?」
「・・・はどうですか?」などと聞けるようになり、聞いたものを準備できるようになりました。
ママが「ドーナツ2つ、アイス1つください」というと、正しく準備できるようになっています。
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