自閉症とは?幼児期の特徴と接し方・成長・そして将来は?

自閉症とは?幼児期の特徴と接し方・成長・そして将来は?

自閉症とは

自閉症とは、政府(文部科学省)によると、次のように定義されています。

自閉症とは、3歳位までに現れ、1「他人との社会的関係の形成の困難さ」、2「言葉の発達の遅れ」、3「興味や関心が狭く特定のものにこだわる」ことを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
(平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より作成)

 

以前は、自閉症の区分を、知能指数で分類していました。
知能指数が高い(IQ70以上)高機能自閉症、知能指数が低い(IQ70以下)の場合は「カナー症候群」と分けられていました。
また、自閉症の3つの特徴のうち、言葉の発達の遅れが無い場合を「アスペルガー症候群と言っていました。
しかし、自閉症の症状は一人一人違って、そのように知能指数だけで分けられるわけではないために、上記の分類は現在使われていません。
知的障害の程度の判定資料 年齢別 福祉援護の手引きより IQと様子
自閉症とは?幼児期の特徴と接し方・療育

自閉症スペクトラムとは(自閉スペクトラム障害、自閉症スペクトラム障害)言葉と意味

自閉症スペクトラムとは、子どもの障害や症状は様々で、発達障害の中の分類にあてはめずらい場合が多くあることから、これらの「周辺の障害」ということで、自閉症スペクトラムという診断名に分類されることになりました。
広汎性発達障害とか、自閉症スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害、自閉スペクトラム障害などと呼ばれることもあります。

 

自閉症の特徴 子どもの場合


自閉症の特徴の「社会的関係の形成の困難さ」というのは、相手の気持ちや状況を考えずに自分の視点を中心に行動してしまうことで、一人遊びに没頭したり、集団活動に参加しないことなどです。

 

自閉症の子どもの言葉の発達・遅れについて

自閉症の子どもの特徴は、「言葉の発達の遅れ」言葉が出なかったり遅かったりするだけではなく、質問しているのに質問とは違う答えを言うなどの、会話としてうまくかみ合わないことやコミュニケーションの問題もあります。
>>自閉症の子どもの言葉の遅れと対処方法

 

自閉症の特徴の「興味や関心が狭くのものにこだわる」というのは、自分で決めた同じやり方や、自分の好きなある一つの物に固執することです。

このような、子どもを育てていくときには、次の10のポイントに注意して育てていくと、子どもとの良い関係を築くことができます。

 

自閉症の子どもの症状・特徴 年齢別

0歳の乳児期 自閉症の子の赤ちゃんの頃の症状・特徴

自閉症の赤ちゃん、0歳の頃は、よく寝てくれる、など、とても育てやすいか、逆に誰があやしてもいつも不機嫌、といったような、極端な育てやすさや育てにくさがある、という症状・特徴のある場合が多いようです。

 

自閉症の子の赤ちゃんの頃|澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

1歳から2歳の自閉症の子どもの症状・特徴

自閉症の1歳や2歳の子どもは、目が合わない、呼びかけても振り向かない、など、人とのコミュニケーションを取ろうとしない、という症状・特徴があります。
言葉が遅れ、自分で指をささすに大人の手を物に持っていくクレーン現象があったり、適切な言葉や行動の習得が遅れる症状・特徴があります。
言葉が遅れ、2歳になっても、「どれ?」と聞かれても指差しが出来ない、という症状・特徴がある子が多いです。
また、1歳半頃に言葉が出ていたのに、2歳前後で消えてしまう、折れ線型自閉症というものもあります。

 

言葉が遅いために、言葉の代わりに奇声を発したり、癇癪やパニックで自分の嫌な気持ちを表現したりします。

相手の立場から物事を見れず、見たままに行動するために「逆さバイバイ」をする、という症状・特徴がある子が多いです。

回るものや光るものをずっと見ている、おもちゃで遊ばない、物を並べて遊ぶ、などの自閉的な症状がよくみられます。
また、つま先歩きをするなどの、末端神経の未発達さが原因の症状もみられます。

 

自閉症特有のこだわりもあります。

 

うちの息子はこんな子どもでした。

1歳の自閉症スペクトラムと診断される前の息子の特徴や様子

2歳で自閉症スペクトラムの中度と診断された当時の息子の特徴はこんな風でした。

 

自閉症の息子の育児ブログ

 

自閉症特有の育てにくさを改善するための方法をお伝えしています。

言葉が出て、コミュニケーションが取れるようになったら、癇癪も奇声も減って、とても楽になります。

ちょうだいから三語文まで!発語を促すカンタン家庭療育はこちら

 

3歳、4歳、5歳の幼児期の自閉症の子どもの症状・特徴

自閉症の3歳、4歳、5歳の子どもは、言葉の理解が遅れ、質問をしているのに質問をそのまま言うなどのオウム返し(エコラリア)が見られたり、こちらが質問しているのに、それにこたえずに、自分の言いたいことを言う、質問の意味が分からない、会話が成り立たないなどの症状や特徴があります。

 

言葉が出ないために、奇声を発するという症状や特徴が多くあります。
こだわりが強く、偏食が激しくて困ることも多いです。
幼稚園や保育園の集団遊びや活動に参加しないで一人で遊び、誘っても嫌がる、などの集団生活がしずらい、という症状や特徴があります。

言葉が出て、友達と関わりたい気持ちが育ってからも、

言葉でうまくコミュニケーションが取れなかったり、遊びのルールが分からなかったりして、

お友達と遊べないことがあります。

 

言葉の遅れを取り戻すことで、遊びのルールを説明されても理解出来たり、

友達に伝わるようにうまく話せるようになっていきます。

そのための言葉の伸ばし方をこちらでご説明していますので、参考にしてくださいね。

自閉症の子どもも安心して幼稚園に送り出せるお話しする力の育て方

2歳、3歳、4歳の軽度な言葉の遅れに!

安心して幼稚園に送り出せる「お話する力の育て方」

 

3歳の頃の自閉症スペクトラム・軽度知的障害の息子の特徴・様子

 

4歳の頃の自閉症の息子 運動は伸びるも言葉がなかなか進まず・・その理由は

 

5歳の頃の自閉症の息子5歳 運動がますます伸びる いよいよ就学前健診

発達障害・自閉症のカンタン家庭療育 妹が大好きでまねっこのお兄ちゃん

 

自閉症の子どもは、言葉の遅れや知能の遅れにより、授業を理解できなかったり、

先生に困ったことを伝えられなかったりします。

 

小学校に入る前に、年少の頃から、やっておくとよいことをご紹介していますので参考にしてくださいね。

自閉症の子が安心して小学校へ通えるために

年少から:安心して小学校に送り出せる言葉の力の育て方はこちら

 

 

6歳頃からの小学校就学時期の自閉症の子どもの症状・特徴

自閉症の6歳頃の小学校就学時期の子どもは、こだわりがあったり、ルールの理解が難しいために、集団での生活が難しかったり、相手の立場に立って考えることができずに、周囲の人から、自分勝手だと思われることもあります。

自閉症の息子の卒園式・小学校の入学式のために工夫したこと そして当日は・・・

自閉症の息子の小学校1年生 支援学級(知的)の授業の工夫で授業を抜け出すことなく学力も向上

自閉症や多動の薬は小学生から飲めるものが多く、学校生活を落ち着いて遅れるように、薬の処方が始まることもあります。

多動ADHDの薬を飲むかどうか迷いと決断
自閉症の子ども|澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

思春期~成人期(小学校卒業~)の自閉症の症状・特徴

思春期、成人期の自閉症の人は、世間話や雑談、お世辞が苦手。人の気持ちを読み取ったり、相手の立場に立って考えることが苦手なことが特徴です。
自分の考えに固執して、人の意見を聞き入れて考えられなかったり、物事の全体を見て優先順位を付けることが出来なかったり、片づけが苦手だったり、方向音痴だったりして、社会に出てから会社の中での人間関係がうまくいかないことがあります。

 

小さなゴミやほこりが気になったり、物の位置が変わることを嫌い、結婚相手との共同生活がうまくいかなかったり、子どもが生まれても、子ども優先の生活ができないなど、家族との集団生活がうまくいかないことがあります。

 

自閉症・知的障害者の将来・就職・就労

 

自閉症の大人、就職したときのことも考えよう|澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

自閉症かな?子どもへの接し方に悩んだら相談を

上記の症状の1つ1つは、定型発達(発達障害や自閉症では無い子)にもあることで、それだけで自閉症とは限りません。
自閉症かな、と思ったら、病院でも診断はできますが、まずは、市町村の保健所に相談してみましょう。
同様に、困った時には、地域の子育て支援センターや児童発達支援センター、児童相談所などでも相談が受けられます。
幼稚園や保育園に通われている方は、まずは担任の先生に相談してみると良いですよ。
岐阜市の場合は、子ども若者総合支援センター「エール岐阜」が窓口になって、診断も行っています。

自閉症かな、と悩んだら?澄川綾乃のカンタン家庭療育

 

自閉症の診断(子どもの場合)2歳3歳から 最近は1歳で診断されることも

自閉症の診断は、2歳から3歳くらいに頃に行われますが、最近は1歳でも自閉症と診断されるケースも出てきました。
うちの息子も、2歳で自閉症と診断されました。

 

1歳半検診では全く何も引っかからず、3歳検診で自閉症の疑いがあるとされる場合もあります。
3歳検診では全く何も引っかからず、5歳健診や就学前健診で引っかかったり、検診では引っかからずに、就学後に学習障害によって気付かれることもあります。

 

診断された場合でも、投薬などの治療は、てんかんや多動などの症状をおさえるなどの、限定的なものしかないため、診断名を希望しない場合は伝えない病院もあります。
自閉症かどうかを気にするよりも、言葉の遅れなどに具体的に対処する療育をうけることや、言葉発達を促す関わり方をしていくことが大切です。

 

自閉症スペクトラムと診断されると、MRIや脳波検査を勧められることがあります。MRIは、言葉や発達の遅れの原因が他にないかどうか脳の画像検査をするためです。脳波検査は、てんかん波が無いか確認するために行います。

カンタン家庭療育 自閉症の診断はお医者さんで

 

自閉症スペクトラムの原因は?遺伝との関係は?育て方や療育との関係は?

自閉症の原因と遺伝との関係は明らかになっていません。
また、しつけなどの問題ではなく、「脳の機能障害」と明らかになっています。
その一方で、療育や家庭療育で効果があることから、言葉や発達を促す関わり方が重要と言えます。

 

自閉症の子どもの将来の就職先(就労)は

 

 

自閉症の子どもには早期療育を!!

早期の療育によって、言葉や発達を促すことができます。
以下に、幼児期に受けられる療育についてまとめました。

>>療育とは?自閉症の子どもの療育の種類と選び方・意味・違い
>>言語療法(ST)とは?自閉症や発達障害の幼児の言葉の療育について
>>作業療法(OT)とは?自閉症スペクトラムの療育の意味は?
>>療育手帳とは?お得な制度やメリットとその唯一のデメリットとは!?
>>療育で効果がない・意味がないと感じる理由と絶大な効果の家庭療育とは?

自閉症の療育 長良医療センター作業療法

自閉症の子どもへの関わり方・接し方と家庭療育方法

言葉や発達を促す関わり方は、ご家庭でもできます。
家庭でママが毎日やることで、たくさんのことを計画的に教えることができます。