グルテンフリーとは 自閉症の子どもに有効なの?影響は?
「グルテンフリーをやったほうがいいの?」「効果はどうなの?」
私のところにも、たくさんの方が相談されます。
グルテンフリーについて、調べて、以下にまとめました。
小麦などの穀物に含まれるグルテンを消化する機能が自閉症児には少なくて、食べると消化不良 機嫌が悪くなり、奇声などが増えるなどの考え方に基づいて、グルテンが含まれるものを食事から除いた食事にすること。
このことについて、息子の主治医である医師に、見解を伺いました。
私「グルテンフリーが効果があるという意見もあるのですが、
効果は実証されているんでしょうか?」
医師「明確なエビデンス(根拠)は・・・」と首を横に振られました。
私「グルテンフリーへの、患者さんの効果などを聞かれたことはありますか」
医師「それも・・・」と首を横に振られました。
私「グルテンフリーについての先生の見解はどうですか?」
医師「ダメとは言わないけれど・・・
小麦除去は、自閉症でない人でも、消化に良くないとかで、避けている人もいるから・・
だめってわけじゃないけど・・・
でも、小麦除去って、すごく大変だから。
小麦アレルギーで除去している人も、本当に大変だから・・・
食事制限は、デメリットも多いしね・・・。
医者の中では、おすすめしない先生が大半なんじゃないかな。」
健康への気遣いは、人それぞれなので、名言は避けられましたが、
グルテンフリーの効果が不明で、食事制限による悪影響も多いこと、
医師の間では、あまりおすすめされていないことは、分かりました。
グルテンフリーによる悪影響は・・・
グルテンフリーをする場合、小麦を除去するため、
小麦以外での栄養を取る必要があります。
一般的に、日本人は米を食べるため、主食においては心配ないように思えます。
では、小麦を除く、ということは、どういうことになるのでしょうか。
加工食品には、かなり多くの物に小麦が入っています。
パン、うどん、スパゲティ、マカロニ、餃子や春巻きの皮
市販のシチューやカレーのルウ
調味料の一部
お醤油にも入っているそうです。
小麦を全くとらない、とすると、かなりむつかしそうですね。
除去食は、栄養の問題だけでなく、偏食ということにもつながります。
パンが好きだった子が、グルテンフリーで米粉パンにしたら、食べなくなってしまった。
ということもあります。
小麦アレルギーでないのに、グルテンフリーのために小麦をのぞこうとしても、日本の保育園では、認められませんので、保育園に通っている子は、実施することも難しい、という現実があります。
認められないということは、好ましくないのでは、と思います。
子どもは、他の子と同じものを食べることで、
みんながおいしそうに食べるから自分も食べよう、という気持ちになり、
集団効果によって偏食が少なくなっていきます。
偏食を改善するには、なるべく、みんなと同じものを与えてあげる方が、良いんですね。
小学校3年生の自閉症の息子は、ゆかりのふりかけが食べられるようになりました。
前は、酸っぱいものが食べられなかった息子。
でも、娘のまねをして
メロンソーダを飲むようになり、
ラムネを食べるようになり、
ねるねるねーるねを作るようになり、
そうやって、お菓子から、酸っぱいものを食べるようになりました。
それが、食事に繋がっていき、ゆかりのふりかけが食べられるようになりました。
酸っぱいものを食べるから、酸っぱいという言葉も覚えられますね。
▼こちらに詳しく書いています
お菓子を使った家庭療育
何か、良いという情報を聞けば、藁にもすがる思い、という親の気持ちはよくわかります。
でも、まずは情報を集めて、それが本当に自分の子どものためになるのかを
冷静に考えてあげられると良いですね。
もし、自閉症は、ことばの遅れ、人への対人意識・コミュニケーション能力の不足、こだわり、
の症状を持つ子どもと言われています。
でも、これらは、大人が子どもの気持ちや遊びに寄り添って、声掛けをしていくことで、
大きく改善していきます。
お子さんに、どうやって、話しかけていますか?
ちゃんと「なあに?」「どうしたの?」って聞いていますか?
「どこ行きたい?」って聞いてあげていますか?
近年、言葉が遅れた子が増えているのは、子どもだけに原因があるのではなく、
核家族や共働きでママも忙しく、育児の相談をできる祖父母も一緒に住んでいない。
そういうことが、大きな原因になっています。
それは、文部科学省も認めている社会問題で、
小学校1年生になっても教室でじっと座って授業が聞けない「小1プロブレム問題」という問題を
何年も前から問題視して、対策しています。
集中力が足りなかったり、ことばの遅れも関係しています。
それが、幼児期の育て方にも関係する、ということで、「家庭や地域の教育力を育てる」ために、さまざまな法改正をしています。
保育所保育指針でも、
保育園の保育士は自分の保育園の園児の親だけでなく、
地域の親の相談にも乗るように、などと、法改正がされています。
子どもは、話しかけなければ言葉を覚えません。
生まれながらに、ことばを知って、生まれてくるわけではありません。
狼に連れ去られた少女がことばをなかなか覚えなかったのは、
ことばを聞かずに育ったから。
ことばかけが少ないと、言葉が遅れることは、過去の事実で証明されています。
子どもが0歳の頃から、たくさん話しかけている親は、子どもの行動を一日中見守り、
一日中、子どもの行動に合わせた言葉をかけています。
「いっぱい泣いちゃって、おっぱいのみたいの?」
「あらあら、おしっこ出ちゃったね。気持ち悪いね。オムツ変えようね。」
「あらあら、どこに行くの?ああ、このおもちゃがほしかったのね。」
「あーあー、可愛い声出してるね。あーあー、上手にお話ししてるね。」
「パパはこれから、会社に行くのよ。バイバイだね。寂しいね。ママとお留守番しようね。」
そうやって、ほとんどの親が、子どもが0歳でまだことばを話せない頃から、たくさんの言葉をかけています。
そんなに、ことばをかけていなかったかも・・・と思ったら、
グルテンフリーよりも、まずは、
お子さんとの会話を大切にすることから、始めてみてくださいね。
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