3歳児の発達の特徴
3歳の幼児期の子どもの発達の特性は、厚生労働省の2008年告示の保育所保育指針及びで、次のように示されています。
<厚生労働省告示の保育所保育指針より>
基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。
話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる。
自我がよりはっきりしてくるとともに、友達との関わりが多くなるが、実際は、同じ遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びであることが多い。
大人の行動や日常生活において経験したことをごっこ遊びに取り入れたり、象徴機能や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性が見られるようになる。
予想や意図、期待を持って行動できるようになる。
<厚生労働省告示の保育所保育指針解説より>
この時期子どもは、基礎的な運動能力が育ち、歩く、走る、跳ぶ、押す、引っ張る、投げる、転がる、ぶらさがる、またぐ、蹴るなどの基本的な動作が、一通りできるようになります。
様々な動作や運動を十分に経験することにより、自分の体の動きをコントロールしたり、自らの身体感覚を高めていきます。
運動能力の発達に伴い、食事・排泄・衣類の着脱など、基本的な生活習慣がある程度自立できるようになってきます。
例えば、不完全ながらも箸を使って食べようとしたり、排泄や衣服の着脱などを自分からしようとします。
基本的な生活習慣がある程度自立することにより、子どもの心の中には、「何でも自分でできる」という意識が育ち、大人の手助けを拒むことが多くなります。自分の意思で生活を繰り広げようとすることは、子どもの主体性を育み、意図を持って行動することや、自分の生活を律していくことにつながります。
子どもが理解する語彙数が急激に増加し、日常生活での言葉のやり取りが不自由なくできるようになります。
「おはよう」、「ありがとう」などの人と関わる挨拶の言葉を自分から使うようになり、言葉を交わす心地よさを体験していきます。
また、言葉の獲得を通し、知的興味や関心が高まり、「なぜ」「どうして」といった質問を盛んにするようになります。このような質問ややり取りを通して、言葉による表現がますます豊かになってきます。
この時期の遊びの多くは場を共有しながらそれぞれが独立して遊ぶ、いわゆる平行遊びですが、平行して遊びながら他の子どもの遊びを模倣したり、遊具を仲立ちとして子ども同士で関わったりする姿もあります。
時には遊具の取り合いからけんかになることもありますが、徐々に友だちと分け合ったり、順番に使ったりするなど、決まりを守ることを覚え始めます。
こういった経験を繰り返しながら、次第に他の子どもとの関係が、子どもの生活や遊びにとって重要なものとなってきます。そして、徐々に関わりを深め、共通したイメージを持って遊びを楽しむようになります。
自分のことを「わたし」、「ぼく」と言うようになるなど自我が成長するにつれて、自分についての認識と同時に、家族、友達、先生などとの関係が分かり始めます。
周囲への関心や注意力、観察力が伸びて、気付いたことを言葉で言った、遊びに取り入れたりしながら人との関わりを育んでいきます。
子どもは、様々な遊具を手にして夢中で遊んだり、イメージを広げながらごっこ遊びを楽しみますが、その中で、身の回りの大人の行動や日常の経験を取り入れて再現するようになります。
こうした遊びを繰り返しながら、様々な人や物への理解を深め、予想や意図や期待を持って行動するなど、社会性を育んでいきます。
また、簡単なストーリーが分かるようになり、絵本に登場する人物や動物と自分を同化して考えたり、想像を膨らませていきます。それらをごっこ遊びや劇遊びに発展させていくこともあります。
<関連記事はこちら>
>>2歳児の発達の特徴:保育所保育指針・解説より
>>4歳児の発達の特徴:保育所保育指針・解説より
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