自閉症スペクトラムの子の癇癪・パニック・自傷行為・他害行為の問題行動を減らす普段からの関わり方
自閉症スペクトラムや発達障害の子どもの、「自傷行為、癇癪(かんしゃく)、パニック、他害行為、自傷行為、暴力」などの問題行動には、ここでお伝えする「7つのポイント」で取り組んでみてくださいね。
きっと、お母さんの強力な味方になりますよ。
動画では説明しきれなかった大事なポイントを、動画の下に書いています。
ページの一番下まで、ざっと項目や赤字の部分だけでも目を通して頂けると嬉しいです。
▼Youtube動画解説
癇癪を起しているときは、冷静になれなくて、話しかけると余計に爆発してしまう子もいます。
そういう場合は、そっとしておいてあげるのも手でです。
可愛そう、と思うかもしれませんが、それは誤解で、
そっと見守る、というのが子育てではとても大切です。
人間は本来、怒りは自分の中で処理しないといけません。なので、そっと遠目に見守ることは、本人が自分で立ち直るために、とても大切なことです。
家ではなく、外で癇癪を起している場合、
周りの子に被害が出そう(叩く、物を壊すなど)なときは、抱え込んで別の落ち着ける場所に連れて行く方が良いです。たとえば車の中や車いすトイレの個室など。
そうでなければ、家の中で一人で怒っているなら、さりげなく距離を置くと良いですよ。
自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、こだわりが強く、パターン化するのが得意なため、自傷行為、癇癪(かんしゃく)、パニック、他害行為、自傷行為、暴力などの問題行動が癖になることがあります。
癖になる前に直すには、なるべく、自閉症の子が問題行動を起こしてしまったという事実を作らないことが大切です。
発達障害や自閉症スペクトラムの子どもが、癇癪、パニック、自傷行為、他害行為、などの問題行動を起こしそうな前触れ、例えば子どもの顔が急に変わったり、お友達と物の取り合いになりそうな雰囲気になったら、起こる前に、お子さんの手をとめて、お子さんに適切なふるまいをさせましょう。
例えばおもちゃの取り合いが始まり、自閉症の子がかんしゃくを起こすことがあらかじめ分かっていれば、「かしてほしいね、”かして”って言うんだよ」、「今、お友達が使っているから、10数えて待っていようか」などの声掛けを事前にして、適切なふるまいを習慣化すると、自傷行為、癇癪(かんしゃく)、パニック、他害行為、自傷行為、暴力などの問題行動を事前に防ぐことができます。
自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、他害行為や自傷行為の場合、相手や自分を叩いてしまった、という事実が出来てしまうと、それは自分の経験として身についてしまいます。叩く前に手を止めてなだめ、気持ちの切り替えが難しいようなら子どもを抱っこして場を変えて対応するようにしましょう。
癇癪、パニック、自傷行為、他害行為、などの問題行動を起こした自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、自分の気持ちがまず整理されていないかもしれません。
また、自分の気持ちを受け入れてもらえないことで気持ちが抑えられないのかもしれません。
癇癪、パニック、自傷行為、他害行為、などの問題行動が起きると、ママだって人間だから、困った顔をしてしまったり、自閉症の子どもを否定するような態度や言葉を口にしてしまう事もありますよね。
ママもまわりの目が気になって、自閉症の子どもの行動をやめさせようとしたり、子どもを叱ったりしてしまいがちですよね。
これも、子どもはママへの反発から、余計に問題行動が悪化することがあるので、気を付けて対応して欲しいです。
でも、それは、問題行動をひどくすることもあるので、辛い気持ちを押さえて、冷静に対応しましょう。
どうしても、ママだって優しい表情が出来ないこともありますよね。
そんなときに、優しい表情になるコツは、
問題行動を起こす前の子どもの可愛い姿を思い浮かべ、
「今、子どもは、苦しんでいるんだ、私に怒ってるんじゃなくて、私に助けてほしいんだ」と思って対応することです。
自閉症の子どもが問題行動を起こしているのではなく、「泣いて自分にしがみついてきている」、と思うと良いですね。
実は、このポイントの2が、一番大切なポイントで、何より優先すべきポイントなんです。自閉症スペクトラムや発達障害の子どもに限らず、子どもは大人と分かりあえて、初めて、大人の期待にこたえようとします。大人は自分の見方だ、という事を理解することが、子どもの成長に一番つながります。
だから、「あなたの気持ちは分かっているよ」、と優しく受け止めてあげてください。
そして、自閉症の子の気持ちを受け止めて言葉にしてあげることには、もう1つの意味があります。
それは、自閉症の子どもが、癇癪やパニックを起こさずに、言葉で伝えられるようになることです。
自閉症の子どもは癇癪を起したいのではなく、言葉で伝えられないから、癇癪で伝えているんです。
自閉症の子も、「いや」「やめて」と言えるようになると、癇癪がグッと減ります。
【保育士監修】言葉の教え方
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子どもが言葉をしゃべることで、お子さんがママに気持ちを伝えられるようになり、気持ちが楽になり、楽しく生活できるようになっていきますよ。
自閉症スペクトラムの子どもは、なだめても説明しても、癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動が長引くことがあります。そういう時は、場所を変えるなど、お子さんが早めに気分を切り替えられるように配慮して対応する必要があります。 ただし、そこでお菓子をあげるなど本人が喜ぶことはやめましょうね。それは癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動に対するご褒美となり、問題行動がより大きくなることがあります。
「いつまででも泣いていないで、悪いことはごめんね、と謝って、おやつのじかんにしましょう。”ごめんね”と言って」と促して、適切なふるまいをさせてから、本人の望む場面に誘導するのは良いですね。
癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動が起きたとき、自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは混乱しています。混乱をなだめた後で良いですので、向き合って顔を見合ってから、声をかけ、対応しましょう。
パニックになり、まわりが見えない状況では、どんな言葉をかけても効果はありません。
まず言葉をかけられる体制を整えてください。
もし自閉症スペクトラムの子が暴れて、とても顔を見つめ合う状況でなければ、その場で話をするのは難しいのでなだめる、場を変えると良いです。
そして、きちんとお子さんを見て、お話するようにしましょう。
発達障害や自閉症の子どもは、話しかけられたり相手にされるより、そっとしておいた方が落ち着く子もいます。お子さんをよく観察して、どうするのが一番良いのか、考えてあげてくださいね。
癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動をした自閉症の子は、そのときの状況や他の子どもの気持ち、そして自分の気持ちやその場にふさわしい行動が理解出来ていません。
たとえ、その子どもが、自閉症スペクトラムや発達障害で言葉が遅れていて理解出来なくても、それでもちゃんと説明すべきで、説明するから理解して行きます。説明しないで過ぎて行けば、学ぶ機会はありません。「どうせ、この子には分からない」と思えば、分からないままです。ちゃんと分かると信じて、顔を見て説明して対応するようにしましょう。
自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、パターン化するのが得意なため、ダメと理解していても、癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動が癖になってしまうことがあります。
正しい行動に置き換えてあげることで、問題行動は正しい行動へと変わり、習慣化していきます。
正しい行動は、一人で出来る必要はありません。
おもちゃを無理やり奪い取る前に、ママがお子さんの手を持って、「かして」と一緒に手を差し出してあげましょう。
発達障害や自閉症の子どもは、言葉が遅いために、言葉の代わりに奇声を発したりします。言葉で要求できるようになると、奇声も減っていきます。
言葉が出ないために、奇声を出したり、癇癪やパニックを起こしたりします。言葉で自分の気持ちを言えるようになると、癇癪やパニックがおさまってくるので、オウム返しでも良いので、要求する言葉を教えていきましょう。
こちらの、オウム返し・エコラリアを利用した言葉の教え方を参考に、オウム返しから言葉へ変えていきましょう。
奇声については、こちらの、奇声とは?種類と原因と対処方法を参考にしてください。
癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動をしたからといって、普段禁止していることを許してしまうと、自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、癇癪、パニック、自傷行為などの問題行動を起こせば何でも許されると誤って認識してしまうことがあります。
すると、もう少しダダをこねれば、ママは許してくれる、と思って、癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動がより大きくなることがあります。
ダメなことはダメとなだめましょう。
ただし、本当にそれがダメな事なのかは、よく考えてあげる必要があります。
必要以上に大人が禁止していることもあります。
特に、毎回、問題行動になるような事は、そもそもルール自体が今の自閉症の子の発達段階に合っていない場合が多いです。
例えば、道路に飛び出す、熱いやかんに触ろうとする、などの危険な行為は、問題行動が起きようと何しようと、絶対に守らせないといけません。
その一方で、発達の段階的に、まだ難しいことがルールになっているときは、ルールを見直しましょう。
たとえば、おやつが1個では我慢できないなら、何個なら我慢できるのか、
また家にお菓子が沢山あるから欲しがるのならお菓子を買わないようにするとか、
小さな子どもに大人のルールを押し付けるのではなく、大人の方が子どもに合わせてあげましょう。
また、「かして」が言えない子どもの場合は、代わりに言ってあげる、とか、順番が待てないなら順番待ちが少ない所で練習するなど、自閉症の子が我慢しすぎて爆発しないように、大人が環境調整をしてあげる必要があります。
ルールを変更するときには、癇癪、パニック、自傷行為、他害行為などの問題行動を起こしていない時にルールをゆるくするか、問題行動を起こしてしまった後であっても正しい振る舞いをさせてから聞き入れてあげると良いですね。
また、代替手段があることも多いです。
高い所に登りたがるなら登ってよい場所を決めたり、床に落書きしたがるなら床にB紙のような大きな紙を敷いたり、物を投げたがるならボール遊びにするなどの代替手段があります。
代替手段で対応できるものは、禁止するのではなく、代替手段で行い、許される、認められる、という子どもの気持ちを大切にしてほしいと思います。子どもは、大人に認められる、許されることにより、大人に基本的信頼感というものを持つからです。大人への信頼がこれから先の全ての人間関係の基礎になります。
自閉症スペクトラムや発達障害の子どもは、急な予定変更や、いつもと違う方法、初めての事・人・場所、自分の思っていることと違う事が苦手で、自分なりのこだわりがあり、それが原因で癇癪・パニック・自傷行為・他害行為が起きることがあります。
この場合の問題行動は、あらかじめ本人に伝えておくことで、防ぐことが出来るので、あらかじめ知らせておくようにしましょう。出来るだけ詳しく、いつもとどう違うのか、どんな人が来るのか、などを説明すると良いですね。言葉だけでは分かりにくい場合は、絵や写真を使って説明するとイメージしやすいです。また、スケジュール変更の場合は、スケジュールを時間割のように視覚化して説明すると分かりやすいですね。
以上が7つのポイントです。これらは、問題行動の対応方法の基本であり、ポイントですが、大事なのはノウハウではなく、お子さん自信です。子どもは一人一人違い、それを一番理解しているのはママ。お子さんと良い関係を作っていくことが大切ですね。
以下もまとめていますので、参考にしてください。
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問題行動以外についても、自閉症スペクトラムの子どもの言葉や発達を促すママの関わり方について、 ご家庭でできる家庭療育方法にまとめていますので、参考になさってくださいね。
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