発達障害や言葉が遅い子の家庭療育方法

言葉が遅い子が丸暗記ではない自分の言葉で話すための「話す力」の育て方

言葉が遅い子が丸暗記ではない自分の言葉で話すための「話す力」の育て方

 

今日は、子どもの「話す力」の育て方について、
<単語から三語文>と<三語文以上・文章で話せる>
発達段階に分けてお伝えします。

 

よく、こんなご相談があります。

以前より、よく話してくれるようになったけれど・・・

 

<単語から三語文>

・いつも同じ言葉が多い

・「おしっこ出た」なども丸暗記して言っているみたい

・ママがよく使う言葉をそのまま覚えて使っている

このように感じることはありませんか。

 

<三語文以上・文章で話せる>

・丸暗記のセリフが多い

・感想ではなく、アニメや絵本の再現ばかり

・ママがよく使う言葉をそのまま覚えて使っている

・自分の言葉で説明できない

・自分の言いたい事ばかり一方的に話して会話にならない

このように感じることはありませんか。

 

自分の言葉で説明するってなあに?

私は、息子が自分で文章を作ろうとするようになるまで、
子どもが自分の言葉で説明するということが
どんなことなのか
はっきりと分かってなかったように思います。

 

私の娘は定型発達で、
喋りだしたらベラベラ喋っていたので、
自分で文章を作ろうと頑張っている姿を見る間もなく、
大人顔負けに喋っていましたので、
参考になりませんでした。

 

息子と何年も
会話の練習を頑張ってきたある日、
息子はこんな風に喋るようになりました。

「ママ、立って!ここ!ボール持つ、転がす」

 

こういうのが、言葉を組み合わせて
自分の言葉で喋る、という事です。

 

<単語から三語文の発達段階>
まだ二語文程度だから、まだまだ、
と思いがちですが、
二語文だって、丸暗記ではよくないのです。

 

発達がゆっくりなお子さんは
二語文や三語文なども
場面に合わせた丸暗記が多いです。

 

そうなると、会話が広がらないし、
この先の言葉の発達も進みづらくなります。

 

先ほどの例文は、いわゆる「多語文」ですね。

 

 

<三語文以上・文章で話せる発達段階>

三語文の後は、このように
単語や二語文、三語文などを並べて、
自分の言いたいことを組み合わせて話す
「多語文」を使うようになります。

 

「布団、ここ!2個いっぺんに。
 あーちゃんとママ」

 りっくん、むこう」

これは、助詞が入っているので、
正確には多語文とは言いませんが、
知ってる言葉を並べて、つたない言葉で
頑張って喋ってる感じがしますよね。

 

子ども同士が聞いたら分からないだろうけれど、
大人がよく聞いてあげれば分かる。
そういう、
「綺麗ではない文章」で話す時期があります。

 

ところが、発達がゆっくりなお子さんは
多語文を使わずに、いきなり
丸暗記の綺麗な文章で喋ることがよくあります。

 

発達の順番というのは、
先に進めばいいのではなく、
その過程一つ一つに大事な意味があります。

 

例えば、
ハイハイしないで立つようになった子が
転んで手をつけないことが多いのと同じように、

 

多語文を使わずに丸暗記の綺麗な文章で喋るようになると、
「自分で文章を組み立てる」ということを
子どもが習得せずに、
次の発達段階に行ってしまったとも言えます。

 

それをしないで次に行ってしまったがために、
丸暗記の言葉でしか喋らない、
だから喋り慣れていない内容が来ると黙ってしまう、
ということになるのです。

 

慌てずに、1つずつの言葉の発達を大切に育てていくことが必要です。

 

どうして丸暗記の言葉で話すの?

では、どうして丸暗記の言葉になってしまうのでしょうか。

よくあるのが次の2つです。

 

【言葉一つ一つが曖昧にしか理解できていない】

言葉の発達がゆっくりなお子さんは、
最初、言葉を場面や物とセットで覚えたりします。

 

<単語から三語文の発達段階>

「おしっこ出た」という言葉も
「おしっこ」と言う液体が身体から「出た」
というふうにそれぞれ理解していないことが多いです。

 

自分の身体から出てきたものを目にしたら
「おしっこ出た」と言うんだと、
自分の目に見えた物体で判断したりします。

場面であいまいに理解してしまっているのです。

 

<三語文以上・文章で話せる発達段階>
「あげる」と「もらう」
「してあげる」と「してもらう」を間違える、などもよくあります。
場面であいまいに理解してしまっているのです。

 

いずれの発達段階にしても、
言葉一つ一つが曖昧だと、
言葉を組み合わせて自分の言葉として使うことが出来ません。

 

 

【文章の組み立て方が分からない】

一つ一つの単語が分かっても、
文章の組み立て方が分からないと、
自分の言葉で話す事が出来ません。

どうして組み立て方が分からないのでしょうか。

 

そもそも、子どもは、
どうやって文章の組み立て方を知るのでしょうか。

 

それは大人の話しかけ方です。
子どもは、大人の真似をして、
文章の組み立て方を習得します。

 

つまり、
大人が長い文章ばかりで話していると
子どもからすると、
なんでそんな文章が作れるのか理解できません。

だから、
文章の組み立て方が分からないままになり、

丸暗記の言葉をそのまま使う事が多くなってしまうんですね。

 

子どもの「話す力」を育てるために

子どもの話す力をつけていくためには、
子どもに、言葉一つ一つを
しっかり理解させていく必要があります。

そして、普段から、
文章の組み立て方の見本をみせてあげるように、
ゆっくりと話してあげる必要があります。

 

【文章の組み立て方の見本をみせる】

例えば、こんな感じです。

 

<単語から三語文の発達段階>

「ママ、だっこして」などを教える時、
丸暗記で一気に教えていませんか。

それで、パパに対しても、
「ママ、だっこして」と言ってしまう子がいます。

ちゃんと、ママの顔を見せ
「誰?ママだね。ママ。ママ!」と
まずは相手に呼びかけさせて、
それから、要件を伝えるように教えると良いですよ。

 

<三語文以上・文章で話せる発達段階>

これは、ある日、
息子が自分のホクロを汚れと間違えて
ボリボリと取ろうと、かいていた時の事です。

 

「それは、汚れじゃないよ。

 それは、ホクロ。
 ホクロは取れないよ。

 ここにもある。
 ほら、ここにも、ここにも、ここにも。

 ホクロは、模様みたいだね。」

 

こうやって、大人が
二語文程度の文を組み合わせて話す見本を
みせてあげる必要があるのです。

 

お客様の中に、よくこういう方がいらっしゃいます。

子どもに話すのを聞いて、
夫や祖母が
「話が長い、まだ子どもなんだから
もっと分かりやすく話さなきゃ」と言われる。

特にこういう方は、話しかけ方を直す必要があります。

 

自分の子どもの年齢に合わせた話し方ではなく、
1歳や2歳の小さな子に話しかけているつもりで、
話すようにすると良いですよ。

 

【知ってる内容だけでなく
 普段話さない内容も話して聞かせる】

先ほどのお布団やボール遊びの会話は、
普段の生活や遊んでいる時の会話ですよね。

もちろん、こういう会話ができるように、
毎日話しかけてあげること大切なのですが、

すでによくする会話を、
ある日から親が突然ゆっくり話すようになると、
うっとおしがったり、
「普通に喋って!」と怒る子もいます。

 

だから、先ほどのホクロの例のように、
子どもの知らない内容や
普段会話していないことを
話して聞かせてあげることも大切です。

 

そうすると、子どもは、
会話で知らないことを知れるから
「これ何?」とか「なんで?」と
質問してくるようになります。

 

普段から同じ会話しかしていなければ、
子どもが疑問に思うこともありませんので、
会話を広げていくためにも、
子どもの好奇心を伸ばしていくことが大切ですね。

このように
子どもの言葉が進まないことにはそれぞれ原因があります。

自分の子どもの言葉の発達段階を正しく知って、
親が必要な話しかけ方をしていくことで
子どもの言葉は育っていきます。

子どもの言葉が遅い、
なかなか改善しないという方はぜひご相談ください。

 

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日常会話が出来るようになると、子どもとの会話が楽しくなります。

今の積み重ねが、お子さんの将来の姿を作りますよ。

 

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

 

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