言葉の遅れがある4歳の子「言いたいことがいっぱいあるのにうまく話せず途中であきらめてしまう」支援事例をご紹介します
2021年8月7日11:07 AM カテゴリー:発達障害や言葉が遅い子の家庭療育の効果・発達状況・お客様の声
言葉の遅れがある4歳の子「言いたいことがいっぱいあるのにうまく話せず途中であきらめてしまう」支援事例をご紹介します
言葉の遅れがある4歳の年中の男の子の家庭療育プログラム「ことばプログラム」での支援事例です。
家庭療育プログラム開始前 4歳の子の言葉の遅れ・言葉の発達状況
開始前の子どもの言葉の発達状況を、ママから聞き取りしました。
以下、Q)私からの質問 A)ママからの聞き取り
⇒保育士としての発達状況の解釈
Q) 言葉で困っていること、うまく通じないと思うこと、はありますか?
A)日常生活では特にないと思います。
たぶんわたしが理解しやすいように話しているし
分かっているからだと思いますが。
保育園の先生などのやり取りは通じ合ってないなぁーと思う事もよくあります。
Q) 質問して答えられること、答えられないことを、ざっと教えてください
(何?誰?誰と?誰の?どっち?どこ行く?
何してる?何した? どうしたの?なんで?いつ?)
A)答えられると思います。
Q) 話している最中に、アニメのセリフを言い始めるなど、
自分の得意な話にすりかえてしまうことはありますか?
A)あります。自分の好きなゲームや数にすり替える事があります。
Q) 一人遊びのときや、そのほかのときに、
アニメのセリフを再現して喋るときはありますか?それはどんな時ですか?
A)YouTubeなど気に入った言葉を家にいるときに急に言ってくる時はあります。
Q) 普段、要求はどんな言葉で伝えますか?
例)公園行く、おなかすいた、今度の日曜日にディズニーランドに行きたい
A)「手 洗うからやって。」→手を洗うから台を広げて。と言いたい。
Q) テレビを見ながら共感して会話することはできますか?
出来る場合はどんな風に喋ってくれますか?どの程度具体的に話せますか?
A)アニメ全体の流れを理解してではなく、部分的な場面に「かわいそうだね。」「悪いね。」
Q) 遊んでいるときに共感して会話することはできますか?
出来る場合はどんな風に喋ってくれますか?どの程度具体的に話せますか?
A)「楽しいね。」「母さんもやってみる?」「何色にする?」など表面的な会話はできます。
自分の好きなゲームについてだけは私がやり方がわからなく聞いてみると具体的に詳しく教えてくれます。
Q) お散歩しているときに共感して会話することはできますか?
出来る場合はどんな風に喋ってくれますか?どの程度具体的に話せますか?
A)走っているので周りを観察できていない状態です。
Q) 今日の出来事を振り返って、会話することはできますか?
聞き出せば一問一答で話せますか?
何があったかだけでなく、どの程度具体的に話せますか?
A)聞き出せば一問一答では話せます。
何したの?に対して「椅子取りゲーム」など一言です。
Q) 絵本の内容やアニメの内容を順序だてて説明することはできますか?
出来る場合はどんな風に喋ってくれますか?
A)できません。
Q) ケンカの経緯など、時系列に説明することはできますか?
A)できません。
Q) 何が面白かったか、何が嫌だったかお話ししてくれますか?
どんな風に話してくれますか?
A)何が面白かったか→「椅子取りゲーム」
何が嫌だったか→「〇〇くんが叩く」
⇒一言で、具体的には説明できない
Q) お友達と会話することはできますか?
出来る場合はどんな風に喋っていますか?
例)カブトってどう折るの?/ランドセル何色にする?/クリスマスプレゼント何もらった?/トーマスで誰が好き?
A)保育園のお友達とはほとんど出来ていないようです。
こだわりも強く自分の好きな事しか話せないためだと思うのですが、
お友達からは「何言ってるの?」と思われている状態だと思います。
なのでお友達ができず登園しぶりがすごく困っています。
でも、同級生の従兄弟や兄弟とは趣味が似ているからなのかそれなりに会話して楽しんでいるんです。なのでこの部分が改善出来るようになりたい気持ちが強いです。
⇒子どもの言いたいことをくみ取ってくれるような、親や年上の子とは会話が成立する。
同世代の子は、まだその子達も子どもなので、相手に合わせようという気が無いため、会話が成立しない。
Q) 動詞や形容詞は、普段の生活の中でよく出ていますか?
どんなことを話しますか?
A)動詞はあんまり出ていないかもです。
「おかし食べたい」「トイレ行く」
形容詞は結構出ているかもです。
「これ美味しいね」「〇〇君こわい」「〇〇ちゃん優しい」「ゲーム面白い」
⇒よく使う形容詞は出ているけれど、細かい形容詞が出ていないため、説明するときに使えない。
Q) 受け答えの間違いはありますか?(ただいま、おかえり、どうぞ、ありがとうなど)
A)特にないと思います。
Q) 助詞(・・・と行く/・・・に行く/・・・が・・・をくれた)や
受け身(あげる・もらう)などは正しく使えていますか?
言い間違いはありますか?
A)よく間違えます。その都度教えている所です。
Q) その他言い間違いなどはありますか
A)文章で話そうとしている様子も時々あるのですが、
うまく組み合わせられず途中で諦めちゃう状態です。
わたしも子供の言いたい事を想像しながら教えているつもりなのですが
あまり身に付かず、どう教えていいのかわかりません。
Q) 今回のプログラムのお申し込みに関して、
効果を期待していること
A)保育園に行きたくない→お友達とうまく関われなくて楽しくない
→言葉を上手く使えない→どんどん自信なくしてる
などの悪循環に陥ってます。
トラブルの時の対応など練習してるのですがトラブル時には忘れてしまうみたいで、
人間関係が上手くいかないのはこだわりの強さもあったり、相手の気持ちが分かりにくい事もあったり、
言葉以外にも多々問題はあるかと思いますが、言葉だけでも使いこなせるようになって
今より楽しいと思える生活を送ってもらいたいと思い申込みさせて頂きました。
こだわりの強さを少しでもやわらげる事はこの言葉プログラムでも相談にのって頂けますか?
よろしくお願いいたします。
家庭療育プログラムで支援開始から2ケ月目 4歳の子の言葉の遅れの改善アドバイス>
「2ヶ月目のプログラムを送っていただきありがとうございます。
プログラムを確認しながら足りていない所も多々あるので
生活の中でアンテナを張りつつ「今だ!」という場面で少しずつ教えています。
今回の動画プログラム、
・目の前の会話
・一言で終わらず二言三言の会話(二文・三文)
の動画を見て澄川先生が「言いたい事はいっぱいあるが上手く話せない。
言葉の言い回しがわからない」と言われていた所が、
今の息子が困っている所はこれだ!!と思いました。
本当に言葉は沢山知っているんです。難しい言葉も。
先生が言われていたように
自分の好きな特定の場面ではポンポン言葉は出てきますし、聞けば説明もしてくれます。
なのに、生活場面になると、あれ〜となってしまいます。」
◆改善アドバイス◆
「特定の場面ではポンポン出てくる」というのを
「どの場面でもポンポン出てくる」と成長させたいですよね。
そのためには、前回1ケ月目の
「実況中継:目の前のことを言葉に置き換えよう」が大切です。
目の前で起きていることを、何が起きているか
どんな場面でも、どんなことでも、具体的に詳しく言える必要があるのです。
ですので、プログラムの会話例にあるような
水風船や手洗いの例のような会話を生活の中のいろんな場面でしていってください。
また、「動詞の語彙」の動画の説明にあったように、
お風呂に入るときの動詞として
生活の中の場面や動作と、それらの言葉を一致させていくことが必要です。
そうすれば、なんて言ったらいいか分からない、という事が無くなります。
1ケ月目のプログラムは、聞いて分かる、ではなく「本人が言える」まで必要です。
ですので、1ケ月目のプログラムと2ケ月目のプログラムをしっかりやっていただければ、
どんな場面でも言葉がポンポン出てくるようになりますよ。
「昨日公園で遊んでいて帰り際に●●くんというお友達に会いました。
それを今朝、保育園の先生に言いたかったみたいなのですが、
『せんせい、こうえんで、きのう、●●くんとあった、おわりに』となってしまうんです。
こう言う場面が非常に多く、本人は一生懸命なんですが、周りに理解してもらえない状態です。
この状態は何がどう足りていないのでしょうか?
わたしも気が付く所ではお手本をしてその都度リピートしてもらってるんですが、
なかなかなかなか定着しなくて困っています。」
◆改善アドバイス◆
●●くんとは、昨日はたまたま会っただけですか?
それとも一緒に遊んだんですか?
たまたま会っただけなら、それ以上の話は無いと思います。
一緒に遊んだのなら、「遊んだの?」「何して遊んだの?」ですよね。
そもそも、一緒に遊ぶのなら、過去になる前に、
遊ぶ時に「遊ぼう」「何して遊ぶ?」
「・・・して遊ぼう」だし、
帰るときに「・・・くん、・・・して遊んで楽しかったね。」
ですよね。
それが言えない段階であれば、過去を会話するのは難しいので、
まずはそういう「現在の会話」が出来るように促して言わせることが大切です。
お友達と遊ぶ機会は少ないと思うので、
家族とやっている目の前の事の言語化というところからかと思います。
前回の「目の前の実況中継」のプログラム動画とですね。
そこをマスターすれば大丈夫です。
「また、今回のプログラムに入っていないので
質問してもいいのか恐縮なのですが、
相手の気持ち、感情を理解することが苦手です。テレビを一緒に見ていて感情を聞いても「わかんない」です。
その都度教えてはいるんですが、効率のよい教え方はないでしょうか?
今後のプログラムに入れてもらえたらありがたいのですがいかがでしょうか?よろしくお願いいたします。」
◆改善アドバイス◆
6ケ月目に、そのあたりも少しやる予定です。
相手の気持ちは、何をしりたいですか?
今怒っている、泣いている、悲しい、という気持ちを知っても
それがなぜだか分からなければ、聞く意味がないですよね。
相手がなんで怒っているのか、自分が怒らせたんじゃないか、などですよね。
アニメでも、ストーリーの前後関係の説明が出来ないと意味がないですよね。
気持ちだけ知るのではなく、大事なのはその理由です。
で、その前に、まずお子さんは、自分の気持ちは言えますか?
その理由を含めて相手に説明できますか?
自分がどうして怒っているのかを相手に言葉で説明できますか?
「パパが約束破った。遊園地連れて行ってくれるって言ったのに
連れて行ってくれない」とか、
「うまくできなくて悔しい。パズルがはまらない」とか
「お風呂がぬるくて寒い」とか。
まずは、自分の気持ちとその理由を相手にちゃんと
言葉で伝えられること。それが先ですね。
それが今月の課題になっていますので、
形容詞:自分の気持ちを話そう
気持ちの理由:なんでそう思うか説明しよう
のところをしっかりやって、事前準備を整えてくださいね。
プログラムはこういった、発達の順番を考慮して作っていますので、
まずは、1ケ月目と2ケ月目のプログラムに時間をかけて
丁寧に取り組んでいってくださいね。
家庭療育プログラムで支援開始から4ケ月目の4歳の子の言葉の遅れの改善アドバイス
「4ヶ月目プログラム練習をしている所です。
澄川先生のプログラムを見て、
今までの親子の会話がいかにワンパターンだったか、
親であるわたしがベターな関わり方をしていたのか身に染みている所です。まだまだ強く意識をしないと、
見たことを話すだけの事がとても難しく苦戦しながら取り組んでいる所です。」
◆改善アドバイス◆
みなさん、まったく同じことをおっしゃいます。
大人は、どの方も、意外と、そんなに内容の濃いことを喋っていないんですよね。
私もそうでした。
大丈夫です。意識していれば改善していきます。
まずは、プログラムの動画の内容・会話例をそのまままねして声掛けすればよいですよ。
なるべく子どもが嬉しい事、興味を持ちそうなことからが良いです。
「振り返りの会話、給食メニューからは、
今までもやっていたので自然と答えてくれます。給食で主菜、副菜という言葉を覚えてきて、
『今日の主菜は〇〇で副菜は〇〇だった。』というような感じです。
写真で会話 今までのなかで一番取り掛かりやすいです。
写真を見だからだと自然に会話ができるので
ストレス少なめに取り掛かれて嬉しいです。
色々とプログラムをやっていく中で
うちの場合、息子の頭の中と現実のマッチングが
上手くできていないことが多いんだなぁと感じています。そもそも物事の捉え方に偏りがある息子なので
そこをいかに現実の世界とマッチングさせなければ通じ合わない事がよくわかりました。」
◆改善アドバイス◆
給食の会話、良いですね。繰り返し練習したことは
ちゃんと出来るようになるお子さんですね。
写真で会話、そうですね。
子どもにとっても、楽しいから、吸収も良いですよ。
みんなそうですよ。
うちに相談してくださって、同じ内容のプログラムをして居る方は、
みんな同じ悩みを抱えているから同じ状態なんです。
でも、やっていけば時間が解決してくれます。
楽しくやっていれば、いつの間にか上手に話せるようになっていますよ。
「質問なのですが、会話も以前よりキャッチボールが増えてきてとても感動しているのですが、
多動傾向な事もあるからかなかなか目を見て会話をしてくれません。何かをしながら返事するとか多くて、私は、?話してる人の顔を見なきゃ通じないよー。
とか言っているんですが、なかなかここの部分の改善ができません。
また自分の話したいことを周りが話していてもお構いなしに話してくるので
そこも注意しているのですが、
なかなか息子にしっくりくる伝え方ができず困っています。何かいい教え方はないでしょうか?
よろしくお願いします。」
◆改善アドバイス◆
目をみてくれないときは、
日々スキンシップをしながら目合わせ、
物をママの顔の前に置いて見せてながら会話
などしていきましょう。
ママの顔を、というより、実際の物を見ながら、が言葉の理解には必須です。
そのために、なるべく子どもが見ているものについて話してあげてくださいね。
また、言葉がまだうまく出ていない時期は、
人の気持ちや周りの様子まで考える余裕はありません。
自分の気持ちもまだうまく伝えられないのに、
他人の気持ちや状況を考えることなんてできません。
今は、自分中心で良いので、
まずは言語と知能の発達、自分の気持ちと理由を言う練習、
絵本を読んで第3者的に考える練習、
そうすることで、自然と、周りのことを見る余裕が生まれていきますよ。
みんな同じ発達順をたどっています。
他の子も同じです。大丈夫ですよ。
「お返事ありがとうございます!
みなさんそうなんですね!
なんかちょっと安心しました。」
「今までは、保育園のお友達と関わる事が苦手だ!と思っていましたが、
言葉が増えてきた
最近はお友達や先生と楽しそうに転がしドッチをしたり
鬼ごっこを楽しんだりしている息子を見ると、凄く嬉しいですし、
本当は関わりたかったんだなぁと、
頑張って成長を取り戻していきたい気持ちでいっぱいです!!
動画でオススメされていた言葉図鑑まだ届いていないですが購入しました!
元々図鑑好きなので食いついてくれるのではないかとちょっと期待しています^_^
でも親が焦っているの丸出しだと怖いですよね!
焦らずやってみます!
あとオススメの絵本があれば数冊教えて頂きたいです。
保育園年中男の子です。
よろしくお願いいたします。」
(絵本をご提案しました)
家庭療育プログラムで支援開始から6ケ月目 4歳の子の言葉の遅れの改善アドバイス
第6回、質問1回目
「どんなだった?の様子を説明するバリエーションがなかなか増えず、
母子共に苦戦しております。今回のプログラムを練習していくと定着してくるとグンと伸びてくれるのかな?
の期待しつつも、なかなかです。
そして、保育園は楽しく通っているのですが、
よく同じクラスの子は、『○○ちゃんが、○○してた』とか
よくお友達とどんな事があったのか話しているのを間接的に耳にするのですが、
うちの子は私が細かく聞かないと人の名前が出てきません。
最近はお友達と遊ぶ事もかなり増えているのに
何故自分からお友達の事を話してくれないのかなー、
人に関心が薄いから?それともまだそこまで話す力がないから?と
最近のモヤモヤなのですが、
これも今回のプログラムが出来るようになれば変化していくでしょうか?」
◆改善アドバイス◆
どんな風か、具体的に説明する、については、親がまずは聞かせていくことが大切です。
目の前の実況中継の動画や会話例のように、
順を折って、やっていることを言語化していくと良いですね。
言葉の能力が上がってくると、知能もアップし、
自分のことで精いっぱいだった子が、人のことにまで目が行くようになります。
ですから、これからですよ。
お子さんとの会話を楽しんでくださいね。
上記は、言葉の遅れがある4歳の年中の男の子の家庭療育プログラム「ことばプログラム」での支援事例です。
同じようなお悩みを持つ方はぜひ、ご相談くださいね。
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