作業療法(OT)とは?自閉症スペクトラムや言葉が遅い子が作業療法を受ける意味や効果は?
自閉症スペクトラムの子どもの療育では、市町村や病院、認可施設によるものがありますが、作業療法とは、身体または精神に障がいのある方に対して、生活していくために必要な動作や社会に適応するための能力の回復をめざし、治療を行うものです。
OTとは、Occupational therapyの略です。
作業療法では、障害とまではいかないまでも、言葉が遅れのある幼児期の子にもよく行う療育です。
自閉症スペクトラムの子どもの以下の苦手なところを緩和して、発達を促すために行われます。
自閉症スペクトラムの子どもは、「他人との社会的関係の形成の困難さ」により、人と目を合わせたり、コミュニケーションをとることが苦手です。
作業療法では、自閉症スペクトラムの子どもの好きな遊びを作業療法士と一緒に行う事で、大人と遊ぶことが楽しいことに気付かせ、それを社会的関係の改善のきっかけにしていきます。
自閉症スペクトラムの子どもは、「言葉の発達の遅れ」があります。
2歳や3歳の頃は、言葉が出ない子も多いです。
作業療法では、言葉の遅れがある自閉症スペクトラムの子どもに、本人の好きな遊びをするなかで、一人では出来ない大人の助けを必要とするときに、要求の言葉を使うことを教えていきます。
子どもが人に言葉を話すのは、自分のしてほしいことを要求することから。
そんな話したい気持ちを育てていきます。
これは、自閉症でない言葉の遅れがある子どもも同様で、子どものしゃべりたい気持ちを遊びの中で育てていくために、言葉が遅い子に作業療法がよく用いられます。
自分でこげないような大きなブランコを先生に「おして」と言葉で要求したり、物の受け渡しの時に、「かして」などの自分の要求を言葉にできるように教えていきます。
自閉症スペクトラムの子どもは、「興味や関心が狭く特定のものにこだわる」という特徴があります。
自分の興味がない事へ無関心なため、遊びの幅が広がらなかったり、集団生活が出来なかったりします。
作業療法では、自閉症スペクトラムの子ども本人の好きな遊びを一緒にすることで、大人と遊ぶことが楽しい、そして、この人を頼りたい、という気持ちが芽生えることも目的にしています。
その信頼関係をベースにして、大好きなこの先生が誘うから一緒にやってみよう、大好きな先生の言う事だから我慢しよう、と、本人の興味の幅を広げ、こだわりを少なくしていきます。
作業療法は、自閉症スペクトラムの幼児期の子どもに行う病院における療育の1つで、障がいのある子どもが、生活していくために必要な動作や社会に出て自立した生きるために必要な能力をつけていくための訓練をします。
作業療法では、子どもがする遊びの中で行うプレイセラピーという方法が中心です。感覚統合の訓練も合わせて行います。
2歳から3歳の幼児期初期の子どもは、まだ机に向かってじっと作業したり、話をしたりすることが苦手です。
作業療法では、机に向かうのではなく、おもちゃなどを用意して一緒に遊んだり、ブランコなどの遊具を使ったりする方法で、子どもの好きな遊びに取り組むという方法で行います。
また、2歳から3歳の幼児期の初期の頃の自閉症スペクトラムの子どもは、身体のバランスが悪く、体幹も弱いために、フラフラ歩いてよくぶつかったりします。
幼児期の子どもの発達は、「中心から末端へ」発達するために、身体がしっかりしていないと、手先も不器用です。
そこで、作業療法では、遊びの中で、身体や手先をうまく使えるような内容の訓練を取り入れて行います。
理学療法では、手足の曲げ伸ばしといった基礎的な運動機能の改善、及び寝返りや立ち上がり・歩行といった基本的な動作の改善を主たる目的として行われます。
一方、作業療法では、身体全体を使うことで、フラフラしないで歩けるとか、手先をうまく使うことで、食事を道具を上手に使って食べられる、というような日常生活の動作に必要な動作の練習も行います。
作業療法は月に3回、1回の時間は1時間程度だったので、それだけで体幹が鍛えられるとは思えず、家でも真似をしてよくやりました。
こちら、児童館の体育館で練習しているところ。
こちらは、近所の小学校で平均台に乗っているところ。
作業療法が、遊びの中で、言葉を引き出したり運動や手先の機能を訓練する「プレイセラピー」であり、自閉症スペクトラムの3つの特徴全ての対策で行われるのに対して、言語療法は、主に「言葉の療育」が中心で、言葉の受け答えがうまく出来ない子に、机の上にテキストを置いて、「この絵の中で、座るものはどれ?」と聞いて、椅子を指差すなどの、お勉強形式で行われるのが一般的です。言語療法(ST)とは?自閉症の幼児の言葉の療育について・言語療法と作業療法の違いはこちらに詳しく書いていますのでご覧ください。
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