自閉症や発達障害でも自然に成長していくと思っていたのに・・・自然に成長すること・しにくいことってなに?
発達障害や自閉症があっても、自然に成長していくと思っていたのに、最近めっきり停滞している、そうお悩みのご相談をよく受けます。
発達の遅れがあっても、着替えやトイレなどの身辺自立などは、毎日の繰り返しで出来るようになったり、入園がきっかけで園の先生の助けを借りて、成長していく場合もありますよね。
運動面なんかは、沢山アスレチック遊具などで遊んでいるだけで、いつの間にか追いついていた、ということがあります。
でも、言葉が遅い、会話が出来ないというお悩みについては、なかなか他の子どもに追いつくまでにいかない、ということがあります。
それは、なぜでしょうか。
発達障害では、大人になっても会話が苦手、空気が読めないということがあります。
自閉症の子どもの場合、ことばの遅れが知能の遅れになり、大人になってもずっと知的障害者の手帳である「療育手帳」を持っている、ということがあります。
発達障害や自閉症の子どものことばや会話の力について、喋れるようになって少しは成長しているはずなのに、それなのに自然と成長していかない、とても他の子どもに追いつけないと思うのはなぜでしょうか。
それは、人間の求める言葉や会話が、とても高度なレベルを求めているからです。
言葉と、着替えなどの身辺のこととは、奥深さが違います。
着替えだったら、Tシャツなどのかぶりもの、ズボンのようなはくもの、ジャンバーのような羽織るもの、などの脱ぎ着るを覚えれば、どの服も、それらに分類されますよね。
後は、ボタンとチャックができれば、もう充分ではないでしょうか。
それに比べて、言葉はどうでしょうか。
語彙は、食べ物の名前、身の回りの道具、乗り物の名前、動物の名前、虫の名前、季節の物、など、名詞だけでも沢山ありますが、名詞だけだと会話になりません。
動詞、形容詞、と沢山の言葉が必要です。
3歳になると、子どもは1000語を覚えて使えるようになると言います。
>> 語彙爆発っていつ?言葉が遅い子の語彙爆発はある?ない子はどんな子?
喋る言葉も、単語に始まり、二語文、三語文、助詞のある文章、短文から二文・三文と
どんどん高度化していきます。
>> 言葉の発達段階の順番(幼児期)と出てこない時の引き出し方
そして、一番難しいのはコミュニケーションで、相手の話を聞き取って、相手の趣旨に対する答えを返して、会話のキャッチボールをするということです。
会話は、相当の機会がないと上手になりません。
定型発達の子どもも、ママ、ママと一日中ママに自分の話を聞いてもらおうと話します。
実は、そういう中で、言葉が上手になっていっているだけなんです。
発達障害や自閉症の子どもに限らず、言葉の力というのは、相当な会話の経験が必要なんです。
>> 3歳になったら喋るって本当?言葉が遅い子が3歳に喋り始めた事例と習得速度について
先程もお書きしたとおり、会話が出来るためには、相当の会話の経験が必要です。
よく、1歳半健診などで「様子を見ましょう。」と言われるのは、ただ、今まで通りのことをして様子を見るということではなく、
「言葉の遅れは指摘しているんだから、沢山話しかけてあげてね。その上で、様子を見るしか無いね。」という意味なんですね。
「自然と成長していく」の「自然と」という言葉は、とてもアイマイな言葉です。
ですが、オオカミに育てられた少女の話を思い出せばわかりますが、人間は言葉を教えられないと話せないんです。
「自然と成長」という意味は、しっかり会話してあげた上での成長で、それは、定型発達の子どもであっても、当然、何もしないで、ひとりでに育っていったわけではないんですよね。
「子どもに教え込んで成長させてしまうのっていいの?
子どもが自分で成長する力を邪魔しちゃわないの?」
なんて思ってしまうこともありますよね。
でも、幼児期の子どもに丁寧に子どもに教えてあげたところで、そんなことはありません。
安心して教えてあげてほしいと思います。
>> お医者さんに「無理して教え込まないで」と言われましたがどうしたらいいですか?
今の親は、仕事も家事も忙しい、各家族で子どもを相手する人があまりいない、という状況です。そのような状況であれば、一生懸命に話しかけていかないと会話ができるはずありません。
「自然と成長する」とは「通常の子育てをした場合」という前提があります。
・仕事が忙しく子育ては後回し
・家事が忙しくてテレビに子守させてしまっている
・子どもと喋るのが苦手
という方は、一度、関わり方を見直してみると良いですね。
そうするだけで、子どもの成長はぐっと変わりますよ。
発達障害や自閉症の子どもが自然と成長しづらい「ことば」「会話」、出来ないと年齢ごとに困ることが出てきます。
3歳になると、幼稚園での集団行動が始まります。言葉がわからないと先生の指示が分からずに子どもが困ってしまいます。
言葉が通じないとお友達とトラブルになったり、お友達が出来ない、ということもあります。
小学生になると、学校の授業が理解できないと、就学のときに困ることになります。
「自然と成長」とは「しっかり子育てする」のが前提、是非、
お子さんが困らないように、丁寧に育ててあげてほしいと思います。
>> ことばの遅れとおとなしいや無口との違いって何?ことばが遅れると何が困るの?
言葉が出ない子にはこちら 8歳のお子さんも言葉が出た
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要求語を促す!言葉とジェスチャーを育てる!教える過程で模倣も覚える!!
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<お役立ち情報>
発達障害や自閉症・言葉が遅い子どもを育てるための情報をまとめています。
言葉、遊び・お勉強、人との関わり、指先・運動、身の回りのこと、などに分けて、具体的な関わり方を書いていますので、是非参考にしてくださいね。
療育にはどんな種類があるの?言語療法って何をするの?自閉症の診断ってどんな意味があるの?お耳の検査って何するの?そんな疑問に1つずつお答えしていますので、わからないことがある方は是非、チェックしてみてくださいね。
自閉症の息子の育児ブログはこちら(0歳から幼児・小学生まで)
家での様子、保育園での様子や小学校での様子、先生方が工夫してくださったこと、お薬の話、など、年齢ごとにまとめていますので、参考にしてくださいね。
発達障害や自閉症・言葉が遅い子どもの出来ないを出来るに変えるお手伝いをしています。療育だけでは物足りない方、家でもなにかしてあげたい方は、澄川綾乃のことばカンタン家庭療育へ是非、ご相談ください。
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