語彙とは?子どもの語彙が少ないと感じたら試してほしい増やす方法
語彙とは?幼児期の子どもの語彙を増やすとは?言葉が遅い子の単語や言葉を増やすには?幼児期の子どもがよく話す言葉と、語彙が少ない原因、語彙が少ないことと二語文、三語文との関係、語彙を増やす対処方法をまとめました。
語彙とは、ある言葉の中の単語の総体(全体)です。
何の言葉について「語彙」というのかによって、語彙の範囲が変わります。
言葉を「日本語」とすれば、日本語の単語全体を意味することになります。
言葉を「日本語の幼児語」とすれば、日本語の幼児語の単語全体を意味することになります。
言葉を「英語」とすれば、英語の単語全体を意味することになります。
幼児期の子どもについて、「語彙が多い」「語彙が少ない」とよく使われます。
この場合の「語彙」とは、その幼児が使える言葉の量のことで、しゃべれる言葉の数のことをいいます。
つまり、「語彙が少ない」とは喋る言葉の種類が少ない、
沢山喋っていたとしても同じ言葉ばかり使っているというイメージになります。
「語彙が多い」とは喋れる言葉の種類が多い、いろんな言葉を喋っているという事になります。
幼児期の子どもの言葉は、一般的に、1歳頃に話し始め、1歳半頃から一気に言葉が増え、このことを語彙爆発といいます。
>> 語彙爆発っていつ?言葉が遅い子の語彙爆発はある?ない子はどんな子?
ところが、語彙爆発には個人差があり、爆発的、という程に増えない子どもや、時期が少しずれる子もいます。
また、言葉が遅くて、語彙爆発が来ない子どももいます。
幼児期の子どもがよく話す言葉・語彙は、次のような言葉です。
幼児期の子どもの言葉が遅いな、語彙が少ないな、言葉が遅いな、と思ったら、次のような言葉を意識してママが言うようにして、まずはママが言う語彙を増やすようにしましょう。
幼児期の子どもがよく話す名詞の語彙には、次のような種類があります。
語彙が少ない子どもは、まずこれらから増やす方法が効果的です。
(1)飲食物:野菜・果物・食べ物・飲み物(パン/ジュース/お菓子/みかん/りんご/うどん/餃子/・・・)
(2)衣類・着用品(服、セーター、シャツ、ズボン、パンツ、オムツ、靴下、タイツ、靴、帽子/・・・)
(3)日用品(歯ブラシ/コップ/お茶碗/スプーン/お箸/・・・)
(4)家電・道具・身の回りの物(冷蔵庫/洗濯機/レンジ/掃除機/ほうき/ちりとり/傘/時計/カバン/カーテン/ドア/屋根/棚/机/テーブル/・・・)
(5)場所(お風呂/トイレ/玄関/お家/公園/病院/スーパー/・・・)
(6)乗り物・働く車(車/バス/飛行機/電車/汽車/パトカー/消防車/クレーン車/ショベルカー/・・・)
(7)草花木などの植物(さくら/たんぽぽ/もみじ/・・・)
(8)動物や生き物(ライオン/ぞう/いぬ/ねこ/くま/とり/さかな/イルカ/くじら/・・・)
(9)虫(ダンゴ虫/テントウムシ/カブトムシ/蚊/・・・)
(10)分類・グループ名(食べ物/果物/野菜/動物/虫/乗り物/・・・)
(11)季節や行事(春/夏/秋/冬/お正月/餅つき/たこあげ/ひな祭り/クリスマス/・・・)
(12)自然(山/川/木/原っぱ/野原/森)
(13)交通(道路/トンネル/橋/線路/踏切/・・・)
幼児期の子どもがよく話す動詞や述語の語彙には、次のようなものがあります。
語彙が少ない子どもは、まずこれらから増やす方法が効果的です。
食べる/飲む/(歯を)磨く/洗う/走る/座る/立つ/寝る/起きる/行く/帰る/切る/折る/積む/貼る/・・・
動詞が出てこない子は、ママの手をやってほしいように動かそうとするクレーン現象がある子もいます。
クレーン現象を無くして正しい言葉で要求できるために、1つずつ動詞を教えていきましょう。
幼児期の子どもがよく話す形容詞の語彙には、次のような5つのものがあります。
語彙が少ない子どもは、まずこれらから増やす方法が効果的です。
おいしい/大きい/小さい/冷たい/熱い/寒い/暑い/明るい/暗い/長い/短い/高い/低い/赤い(色の名前)/・・・
幼児期の子どもがよく話す副詞の語彙には、次のような5つのものがあります。
語彙が少ない子どもは、まずこれらから増やす方法が効果的です。
ゆっくり/早く/
幼児期の子どもが使う語彙は上記が主です。
語彙が少ない子どもは、これらをバランスよくママが使うという方法が効果的です。
特定の語彙が少ないと、二語文や三語文が出なくて困ることがあります。
この事については、語彙の種類が偏ると三語文が出にくい(語彙と三語文の関係)三語文を増やすためにはこちらに詳しく書いています。
語彙が少ない幼児期の子どもに、言葉を、机に向かって、暗記方式のみで教えるのは、非効率なうえ、子どもが勉強を嫌いになる事があります。
冷蔵庫は冷やすところ、と教えて、冷蔵庫が冷やすか温めるか混乱する子は、日常生活の経験不足です。
冷たいか、温かいか、冷やすのか、温めるのかは、普段、レンジや冷蔵庫から出し入れをしていれば、触って分かるはずで、反対に覚える事はありません。
そのように、実体験の中で教える方法で覚えた言葉の語彙は、イメージしやすく忘れにくいです。
語彙を増やす方法は、遊びや生活の中の実体験での声掛けを大切にするのがポイントです。
幼児期の子どもの語彙が少ないと思って増やす方法には、生活の中で言葉を教えていくのが一番大切です。
ただ、生活の中の実体験だけだと頻度が少なかったり、実体験ではなかなか出てこない語彙もありますよね。
実体験であまり出てこない語彙や、出てくる頻度の少ない語彙の場合は、カードや絵本を上手に利用する方法が良いですね。
特に、自閉症の子の場合、語彙を覚える時に、実物よりも絵になっていた方が分かりやすい場合もあります。
参考:
実体験を補うものとして、カードを上手に利用して語彙を増やすと良いですね。
本屋さんや楽天ブックスでも販売している「くもんの絵カード」は、たべものカード、くだもの・やさいカード、のりものカード、おみせやさんカード、はんたいことばカード、など、沢山の語彙の種類が出ています。どれもお勧めです。
そして、日常の中では教えにくい語彙を増やすときは、絵本も使うと良いです。
絵本を読むのは、教科書を読むための前準備の練習にもなり、就学の準備にもなるのです。
幼児期の子どもの要求語の動詞の語彙が少ない場合、ママがいつも「やって、だね」と「やって」ばかり声掛けしていることがあります。
ママが声をかけるときの、「やって」以外の語彙を増やしましょう。
そして、覚えた言葉や語彙はどんどん質問をして、語彙が定着したかどうか、質問に答える練習も合わせて実施していくと良いでしょう。
覚えた言葉が自分の物として脳にしっかりと吸収されます。
質問の仕方は次のとおりです。
1、名詞の質問
これは何?/何食べる?/何が好き?/・・・
2、動詞、述語の質問
何してるの?/何したい?/
3、形容詞の質問
どお?(おいしい?)/何色?/大きいか小さいかどっち?・・・
質問に答えられない場合は、答えの見本を言って、真似して言ってもらいましょう。
毎日、何か月も続けると、ちゃんと言えるようになりますよ。
私も同じように言葉が遅い・自閉症の子どもを育て、何年も子どもの癇癪や言葉の遅れに悩み続けました。
そんな私が息子から言葉を引き出し、会話ができるようにしていった経験をもとに、言葉の遅れに悩むご家族300組をサポートしてきた方法を、保育士監修の無料メール講座でお伝えしています。
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子どもが学校の様子やお友達とのトラブルを家で話してくれたら安心ですね。
言葉、遊び・お勉強、人との関わり、指先・運動、身の回りのこと、などに分けて、具体的な関わり方を書いていますので、是非参考にしてくださいね。
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